江路学園へようこそ!
□やってきましたよ、江路学園!
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ソコは街から離れた高い山の上にある、まるでお城のような豪華な学園。
俺たちは送りの車から、白い燕尾服のような制服の裾をなびかせながら降りる。
高いレンガの壁と鉄の柵で出来た大きな門を見上げて、俺は口元を緩めた。
今、俺たちは…新しい学校の門前にいる。
「無駄にでっかい門だなぁ〜」
「そうだなー」
はい、やって来ましたよ江路学園っ!
右の涙ボクロがチャームポイントのみつくんでっす♪
いやぁ〜、ここまでの道程は長かったι
さすがに2時間車の中は疲れたよ…
──ん? 前とは様子が違うって?
いや、ほら、ナニ事…じゃなかったι
何事も始めが肝心だからさ、あはっ
あっ! 今、ウザイって言った奴は呪っちゃうぞ♥
出来ないけど…
テンション高くてごめんね?
転校初日なんで許してくださいι
って、いっけない! 話がズレちゃったよ
やり直し、やり直し
「無駄にでっかい門だなぁ〜」
「えっ?! あ、あぁ…」
目の前には何メートルもある校門(って、言えるのかな?)がある
ココはいわゆる『金持ち学校』らしい
セキュリティーはもちろんバッチリで、不審者や侵入者を見張るために24時間の監視体制だし、設備には最新で安全なものを、調度品には最高級品を使用してる。
学校のカリキュラムも通常教科の他にマナーや帝王学とか習ったりするみたいだし、普通の学校じゃ考えられないくらい充実させてるトコみたい
ちなみに俺が入る寮にはコンシェルジュや清掃スタッフとかがいたりして、希望すれば洗濯から部屋掃除まで全部やってくれるホテルみたいなトコだった
びっくりして、思わずパンフレット2度見どころか3度見しちゃったもん
そんな学校に転校させるコトにしたのは、1人放り込まれる俺を思ってしたパパ──じゃなくて! 父さんの優しさだろう
まったく、なんだかんだ言っても俺に甘いんだからぁ
「みつ、インターフォン押すぞ?」
「あっ! …うん、よろしく〜」
声をかけられて隣にいるヤツを思い出した
あっぶない! 俺の大事な親友を紹介するの忘れてたよι
もう、俺のバカっ!
今インターフォン押すかどうか聞いてきたのは、俺の幼馴染みで親友の宮部 響介みやべ きょうすけ
背が高いのと獅子の立て髪みたいな金髪で、威圧感有りまくりの怖そうなヤツなんだけど…
俺が転校するコトを知って、心細いだろうと言ってついてきてくれた優しいヤツ
響介とは家が隣で、産まれた時からの付き合いだから心強いなぁ〜
本人には死んでも言わないけど
小さい頃はあんなに泣き虫の弱虫だったのに、今はこんなに大きくカッコよくなって…みっちゃん嬉しい
「‥なんか言っちゃいけない過去の事を考えなかったか?」
「考えてないよ♪」
「……そうか」
従順なトコも変わんなくて嬉しいよ
俺は満足です
そんなコトを話してたら、インターフォンのスピーカーから澄んだキレイな声が聞こえた
『お待たせしました。転入生の揚羽みつ様と宮部響介様ですね?』
「はい!」
「そうです」
優しい喋りかたと、キレイで聞き心地のいい声にテンションが上がる
え、節操無し?
いやいや、誰が運命の人かわかんないからね
視野は広くしとかないと!
それが節操無しだって言うツッコミは無しね?
『今、門を開けます。お待ち下さい』
「は〜い」
「わかりました」
──ギィーーギギギ──
校門の鉄柵が重い音を響かせながらゆっくりと開いてく
おぉー! こんなおっきい門が開くトコ始めて見た
スゴい迫力だなぁ〜
俺の家にも門はあるけど和風だし、ココまで大きくないんだよねぇ…
『お待たせしました。お入り下さい…』
開く門に釘付けになってた俺をキレイな声がそう促す
そうして声に促されるまま中に入ると──
「うっわ、ひっろ!」
「大学並みだな」
あまりの広さと豪華さに驚いた
この大きい校門なんか目じゃないよ…さすが金持ち学校
敷地は広いし、何とか様式…みたいな大きくて高そうな建物がいくつも立ってるし、しかも花なんか咲き乱れてるよ!
ココは秘密の花園かなんかですかーっ!
『学園の者が参りますので、もう暫くお待ち下さい』
「あ、わかりました。ありがとうございます」
「ありがとうございます」
カメラが見えたからペコリとお辞儀もつけておく
感謝の心は大切だよね
『っ…どういたしまして。いい学園生活が送れるよう、願ってます』
「「はい」」
あ、かぶっちった
まぁいっか、また今度この人に会いに来よっと♪
出会いは大切にね!
それにしても丁寧な人だったよね…
金持ち学校だし、コレが普通なんだろうなぁ
あ、そんなコト考えてる間に迎えの人が来たみたい
「遅れてしまってすみません…」
そう言って笑った顔は優し──
って、腹黒っ! 俺のセンサーがビビッと反応したよ!
いや、でもイイ…腹黒は好物の1つです
ふふっ、思わず舌なめずりしちゃった♪
見た目はスラリとした体躯にキレイな顔立ち
ダークブラウンの長い髪を後ろで一括りにしてて、顔にかけた眼鏡で理知的に演出☆って感じかな
美味しそう…
「……おい、みつι」
「どうかしましたか?」
はっ、ヤバい! 目の前に獲物がいるのにボーッとしちゃダメじゃん!
「いや、あまりにイイお愛想腹黒笑顔だったもので…」
思わずみつくんのスペシャル笑顔が出ちゃうよ!
「お愛想腹黒笑顔、ですか…。よくわかりましたね」
腹黒くんのキレイな顔に、今度は腹黒くない本物の微笑みが浮かんだ
おっ、その笑顔もイイですね!
心からの笑顔いただきましたぁ〜♪
「私は生徒会副会長の愛栄 恋あさか れんです。君の名前は?」
「俺は揚羽みつ。で、隣のコイツが宮部響介でっす」
「っす」
「みつ君か…」
腹黒くん改め、副会長が呟くように俺の名前を繰り返した
いや、響介も紹介しましたよ副会長さんι
「これからよろしく、みつ君…」
だから響介も…って、アレ?
顔が近づいてくるよ??
──チュッ──
ありゃ、キスされちった
副会長の唇は薄いけど、意外に柔らかくて気持ちよかったです…
でも俺はこんなんじゃ満足出来ません!
ってコトでぇ、離れられないようにぃ〜
引き寄せアーンドがっちりホールド!
「‥えっ?」
で、みつのエロテクいっきまぁーすっ♪
俺は副会長の唇を誘うように舐めてから唇を合わせて──
「んっ‥?!」
口づけと角度を深くして、唇を割り開く
そんでこれからが腕の見せドコロ!
「ん、ぅ‥っ…ふ」
濡れた舌を差し込んで舌を絡ませて──
あ、逃げられた
でも、まだまだ
逃げた舌を絡めとって、甘噛んだ後に優しく吸う
ちょっと大人しくなったトコで──
「っ‥ぅ、はっ…ん」
よし、仕上げだ!
敏感な舌裏とかなぞって、擦って
あと上顎とか歯の裏とかにも舌を這わせて…
てか、イイトコロに手が! 腰とお尻撫でちゃえ♥
「ん、…ふ、っ‥はぁ‥っ!」
あ、副会長がガクッてよろめいた
透明な糸を引きながら唇が離れる
腰砕けちゃったかι
まぁ、わざとだけどねん
「ごちそうさまでした…」
でもコレじゃあ案内はムリだよねι
──途中で誰かに聞けばいっか
時間がないから早く行かなきゃ
とりあえず…
「これからよろしくお願いしまっす♪」
それでは、理事長室にレッツゴー!
つづきはこちらへどうぞ。