江路学園へようこそ!
□生徒会パニック!
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「ん〜…」
紺色のカーテンの隙間から光が差し込んできて眩しい
あれ? なんか違和感
「もう…ちょっと‥」
でもまだ起きる時間には早いと思う
二度寝するコトに決めて眩しさに寝返りを打つと、腕の中に暖かな存在が──
あ、そっか、違和感のナゾが解けた
俺は昨日のコトを思い出して小さく微笑む
うん、いい夢見れそう
おやすみなさぁ〜い
二度寝してから数分後
「ん・・・っ! なっ、なんだこれーーっ!!」
「んー…なにぃ…?」
気持ちよく寝てたのにぃ
おっきな声出すから目ぇ覚めちゃったよぉ
「なっ、なんでお前がここにいるんだっ!!」
「朝っぱらから大きな声出さないでよぉ、不良く〜ん」
眠い目を擦りながらゆっくりと起きる
小さくあくびをしながら隣を見ると、わたわたしながら青くなったり赤くなったりしてる不良くんが…
「なんか朝から忙しそうだねぇ〜」
あ、朝だからかぁ
ダメだ、頭が眠ってる
なに言ってるかわかんなくなってきた
「お前のせぇだろうがっ!!」
「ん〜?」
「お前のせいでこうなってんだよ! なんでこの部屋にいるんだ!!」
「あ〜、うん〜」
話も右から左に流れてく
あ〜、起きなきゃ
「ちょっと待っててぇ〜」
お風呂、おふろ〜
お風呂入ってスッキリしよぉ
「あ、おいっ!」
─バタンッ─
「〜〜っ、なんなんだ!」
****
「ふぅ〜」
あー、さっぱりした
頭も目もスッキリ覚めたよぉ
勝手知ったるなんとやらで、不良くんの部屋に入る
と、無防備な不良くんの背中が──
珍しいと思ったけど‥
あぁ、クローゼットから制服を出してるんだ
だからか、なぁんて勝手に納得しながら軽い足取りで近づいて肩を叩く
「お待たせ、不良くん♪」
「遅ぇ、待った──・・・っ、なんて格好してんだお前は!!」
「ん?」
なんて格好って…普通に制服だけど?
まぁ、前は開けっぱで下も引っ掛けてるだけだけどね
「なんか問題でもある?」
「あるわっ! さっさと前留めて、下もしっかり履け!」
「えぇ〜」
「えぇ〜、じゃねぇ! 早くしろ!」
「はいはい。わかりましたよぉ〜」
朝から怒られ続けるのもイヤだし、素直に言うコトを聞く
まったくぅ、不良くんったらワガママなんだから
「出来たよぉ、これでいいでしょ?」
「…もう一個ボタン留めろ。3つは開きすぎだ」
「えぇ〜、めんどくさいなぁ」
「いいから早くしろ!」
「もぉ〜、わかったよぉ」
学校行く時には留めるんだからいいじゃんって思ったけど、めんどくさいからさっさとボタンを留める
うぅ…お風呂上がりだからちょっと熱いι
「はぁ〜い、出来たよぉ」
「よし。それで、さっきの続きだけどな」
「え? なにそれ」
なんかあったっけ?
「〜〜っ! なんでお前が俺の部屋にいて、一緒に寝てたんだって話しだよっ!」
「あぁ!」
なんとなくそんなコトを話した記憶が…
「ごめんごめん、話したのすっかり忘れてたよぉ」
「ったく…まぁいい、なんで俺の部屋のベットで寝てた。鍵がかかってたはずだろ? 話せ、場合によっては殴る」
「えぇ〜、じゃあ言いたくない」
そう言いながらそっぽを向く
殴られるかもしれないのに言うわけないじゃん
「言わねぇと今すぐ殴る」
「ちょっ、それ理不尽!」
「いいから言え!」
不良くんが拳を握りながら睨みつけてきてる
ちょっと怖いよι
「あーもう、わかったって! 言う、いう!」
「なら早く言え」
「え〜とね…昨日の夜は肌寒くて、人肌が恋しくなったんだよ。で、不良くんの部屋の前まで行ったら──」
「行ったら?」
「普通に開いてたから中に入って一緒に寝た」
いや〜、不良くんには気持ちよく寝させてもらったよ。ぜひまたお願いしたいね
「ちょっと待て。こじ開けたとかじゃなくて開いてただと?」
「閉め忘れたんじゃない? 不良くんのドジっ子さん♪」
──ゴンッ──
「いったぁーい!」
「変なこと言うからだ」
「ホントに開いてたんだよ? ってことは閉め忘れたってことだよ? だったら不良くんのドジじゃん。ドジッ子不良くんじゃん!」
それなのに殴るとか横暴だよっ!
「うるせぇ! 大体、勝手に入って勝手に寝たのには変わりはねぇ…殴られて当然だっ」
「それだけで?! 割に合わない…それならちゅーの1つでもしとけばよかった」
ちょ〜っと抱きしめて一緒に寝ただけなのにぃ
ホントにドコも触ってないんだよ?!
「殴られ足りねぇみたいだな…」
「いやいやいやっ、十分です!」
再び拳を握った不良くんの腕を掴む
2回も殴られるなんて絶対ヤだよ!
「十分なわけ──「あーっ! 不良くん、もう準備しはじめる時間だよ!! 早くお風呂行ってきたら?」
手を外そうともがく不良くんに慌てて話しかける
「そんなのどうとでもなる!」
チッ…意識を逸らそうとしたけど効かなかったみたい
でもコレはどうかなぁ?
「大体そんなこと言って──「でも俺、朝ごはん作れなくなっちゃう! 今日はチーズオムレツ作るハズなのにぃ〜」
「…チーズオムレツ?」
お、興味を持った
さすが子供が好きそうな食べ物が好物の不良くんだね♪
よし、あと一押し!
「そう。半熟トロふわのオムレツと、絡み合う熱で溶けたクリーミーなチーズ…すっごい美味しいと思うんだけどなぁ〜」
「半熟、とろふわ…クリーミーなチーズ…」
「でも、不良くんは食べないんだよねぇ? 残念だなぁ〜」
わざと残念そうに視線を流せば、小さく拳を震わせる不良くんが…
そんでコッチをキッて睨んできたと思ったら──
「…‥早く準備しろ。あ、朝飯は大切だからしっかり食わねぇとな!」
次の瞬間にはそっぽ向いて、耳と首まで赤く染めながらそう言った
「…‥」
──ダメだ
「不良くぅ〜んっ!!」
「ぎゃーーっ!!」
萌えのダムが決壊した
イヤ、ムリでしょう?!
だってスッゴい可愛かったんだもんっ!
ついついエスカレートして不良くんを触りまくる
そしたら──
「〜〜っ、早く朝飯作って来いっ!」
「いてっ!」
部屋からおもいっきり蹴り出された
うぅ〜、すっごい鈍い音がしたよぅ
でもホントに可愛かったなぁ、不良くん♪
「…よし」
早く朝食を作ろう。
つづきはこちらへどうぞ。