江路学園へようこそ!
□夜の出会いと秘密事!
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「あーもう! 響介のヤロウぜんっぜん出ないっ!」
もう何回目かわからなくなった呼び出し音に電話をブチッと切って、俺は苛立ちまぎれにベットへダイブする
昨日のコトがどうしても気になったから今日も響介に電話をしてみたんだけど…出ませんでしたよ、響介のヤツ!
次の日になったら多少は話す気になったりしないかな〜って思ったんだけど、そう甘くはなかったかι
「でも…俺からの連絡、ムシするとは思わなかったなぁ〜」
俺からの連絡を響介がムシするなんて、まったくっていうほどなかったからなぁ…ちょっとショックだ
「もぉ〜、なんで響介のコトでショック受けなきゃいけないんだよ〜!」
まぁ、それだけ俺に踏みこんでほしくないってコトだよね…なんてしょんぼり考えてたら、いきなりスマホが鳴った
チラリと画面を見てみれば、ソコには響介からのメールが届いてて──
「…っ」
すぐ開いてみればソコには、今日は電話に出れないのひと言
「変に気をつかうな! 響介のバーカッ!」
こんなコトするくらいなら電話に出ろってのっ!
‥ホントにイヤだったら、ムリに聞き出したりなんかしないのに
「普通に電話したくなったらどうすんだよ、響介のバーカ…」
覚えてろよ、俺にこんなコト思わせやがって
「でもこうなったら響介のヤツ、たとえ聞けても絶対言わないだろうなぁ…‥」
なんかちょっとでも力になれればなぁって思ったんだけどね、しかたないか
「まぁ、なるようになるよね」
そう言い聞かせるように呟いて、俺は雅ちゃんと出かけるために用意をはじめた
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大人っぽく見えるように恰好を整えて、顔を見えにくくするためにハットをかぶってから俺は雅ちゃんと一緒に家を出た
店までは電車と徒歩で、色々見たりしながらゆっくり向かう
早く行って色々見たいって気持ちもあるけど…
久々に雅ちゃんと出かけてるんだもん、やっぱりソレ以外も一緒に楽しみたいよね♪
雅ちゃんもそう思ってくれてるみたいで、さっきからアレを見ようコレを食べようとか声をかけてくれる
そんなふうに店にゆっくり向かいながら街をフラフラしてたら──
「あれ? あそこにいるのって…」
会長と副会長が一緒にいるのを見つけた
会長は口元に笑みを浮かべて、副会長は笑ってはいないもののリラックスした表情で歩いてく
休みの日も一緒にいるなんて、2人とも仲いいなぁ〜
たしか、幼なじみなんだっけ?
「みつー?」
そんなコトを考えながら遠くなってく2人を見てると、雅ちゃんから呼ばれちゃった
「あ、ごめんごめ〜ん」
「もー、気づかずに置いてくとこだったぞ」
「ごめんって。ちょっと知り合い見つけちゃってさ」
まさか会長たちを出かけ先で見かけるとは思わなかったから、ついつい目で追っちゃったんだよね
「それって学園の?」
「うん。久我会長と腹…愛栄副会長」
「それって昨日言ってたあの──」
雅ちゃんは聞き覚えのある名前に興味を持ったのか次々色んなコトを聞いてくる
ソレに答えたり面白エピソードを話したりしながら、俺たちはまたお店に向かって一緒に歩きだした
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