東條学園〜恋愛騒動記〜

□恋愛騒動記2
1ページ/4ページ


カーテンの隙間から差し込んでくる太陽の光に、うっすらと意識が覚めた。

まだ目覚ましは鳴ってねぇはずのに、なんかずいぶん寝た気がするな…

そう不思議に思いながら枕もとの時計を引き寄せたんだけど──

「7時‥45分?!」

なんだこの時間!
驚きで目が覚めたわっ!

学校が始まるのは8時半だ。
着替えやその他もろもろの時間を合わせて考えたら…

「っ‥やっばい、遅刻する!」

くっそー、あの鬼畜エロ会長めっ!
お前のアレがショックすぎて眠れなかったからこんなことになったんだ〜っ!!

****

「はぁ…はぁ…はぁ…っ」

や、やっと学校に着いたけど今の時間はっと…8時半!?

もう絶対もっつー来てるよなι
もっつーってものぐさでダラダラしてるけど、遅刻とかにはうるせぇからなぁ…

あ、もっつーは俺のクラスの担任ね?
本名は多田本(ただもと) (つかさ)
ちなみに担当教科は科学!

「ヤバい、絶対怒られるよ〜ι」

よし、教室行きながらなんかいい理由を考えよう。
もっつーに怒られねぇようにしねぇとな!

ん〜、なにがいいか…

じつは、途中で交通事故に巻き込まれてっ!
…駄目だ、あとからばれたらシメられるな。

気を取り直して次だ、次。
んー、なかなか出てこねぇなー

‥色々考えてるあいだに教室に着いちゃったよ。

覚悟は決めた!
でも、こんなのしか思い浮かばなかった…

──ガラッ──

「ごめん、もっつー! マンホールに嵌まったおばぁさん助けてたら遅れましたっ!!」

どうだもっつー、なんとか言ってくれっ!

「──て、あれ? いない…」

なんでいねぇんだ?
教室んなか見渡してもいねぇ…なんでだ?

いや、でも──

「ま、間に合ったーっ!」

よかった〜、怒られずにすんだよ…

「おっはよ〜、まこっちゃん! もっつーは会議が長引いて遅刻中だよん♪」
「うわっ、びっくりした!」

ちょっ、完全に気ぃ抜いてたところに気配消して近づいてくるとか止めてくれよなι

「てかマンホールに嵌まった婆さんって…ありえねぇだろ、藍川」
「…ぅ゛」

なんだよ、いきなり出てきたと思ったらからかいやがってっ!
まったく、コイツらは…

でも‥この朝から色々とやってくれたコイツらは、俺の貴重で大切な友達だ。
こんなんでもいざというときは頼りになるし、友達想いのいいやつらなんだよな。

「‥おはよう。朝から絶好調だな、デコボココンビ」
「デコボコ言うなし! オレには、本山(もとやま) 冬悟(とうご)って言う立派な名前があるんです〜」
「俺も、真井(さない) 遊二(ゆうじ)って言う素敵な名前があるし?」

くっそ〜、偉そうに言いやがって!

けど、コイツらはデコボコって言ったとおり色々差が激しい。
本山が身長165p位で清楚系の顔なのに対して、真井は身長180p位のチャラ男系。

こんなふたりがつるんでたら、デコボココンビって言われてもしかたねぇと思うよ?
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ