東條学園〜恋愛騒動記〜

□恋愛騒動記3
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「やっと終った〜」

昼休みは色々あったけど…てか、ありすぎたけど!
午後の授業も無事に終わって、今は放課後だ。

「よし、今日は部活も休みだし帰るか」

そう決めて帰りの準備をしてく。

明日使うのはそのまま残してっと…
あ、そういえば佐々本も今日は部活なかったはずだよな。

「佐々本、一緒に帰ろうぜ! お前も部活休みだろ?」

いつも部活が休みの日は一緒に帰ってるし、今日も一緒に帰れるよな?

そう思って声をかけたんだけど──

「帰るって、俺達これから会議だろ」

佐々本はなに言ってんだって顔をしてそう言ってきた

会議? なんだそれ
不思議すぎて首かしげるぞ?

「俺、委員会とか入ってなかったと思うけど…」
「なに言ってるんだ。お前、三姫の椿だろうが」
「え? み‥ひめ‥? 三姫って‥…ぁあっ!?」

思い出した!
そういえば、あの鬼畜エロ会長から任命されたんだった!!

そのあとのことが衝撃すぎてきれいさっぱり忘れてたι

「…忘れてたのか」
「忘れてたιで、でも、俺は行かないからな!」
「は…?」
「三姫なんてやらないし、断る!」

あいつは拒否権はないとか言ってたけど、無視だ、無視!
あんな鬼畜エロ会長の補佐なんてできるかっ!

って、なんで佐々本はそんな訝しげな顔して俺のこと見てるんだ?
俺、なんか変なこと言ったか?

「藍川…お前、素直に三姫になったほうがいいぞ」
「へ? なんで?」
「それは、任命したのが東堂会長だからだ」
「あいつだから…?」

あいつだとなんかあんのか?

「お前、学期ごとに新聞部がやってる人気投票を知ってるか?」
「聞いたことはあるけど…詳しくは知らない」

俺、人気投票とか興味ないからなぁ…男しかいねぇんだもん。

「そうか。…会長はな、その人気投票で入学以来1位を取り続けてるんだ」
「マジで?! あいつが??」

嘘、だろ? 信じらんない…
あの鬼畜で、エロくて、二重人格なセクハラやろうが?!

「だから当然ファンも多い。親衛隊もいるしな」
「親衛隊? そんなのあるのか?!」

あの‥『L・O・V・E』とか書いてあるうちわ持って応援したりするやつらか?!

「あぁ。多分、藍川が思ってるのとは違うと思うけど…」
「あ、違うんだ」

ちょっと生で見てみたかったんだけど。

あ、やばっ!
しっかり聞くからそんな冷たい目で見ないでっ!!

「…だから、会長に近づいたうえに三姫に選ばれたのに断わった。しかも親衛隊の人間じゃないなんて知れたら──」
「知れたら…?」
「親衛隊がなにをするか…集団リンチで血祭り、なんてこともあるかもしれない」
「そ、そんなにやべぇのか?」

さすがに集団には勝てないかもι
まさか俺、命の危機?!

「やばいな、会長の親衛隊は過激だから…」
「‥マジで?」

違うって言って!
むしろ違うと言えっ!

「マジだ。特にお前は、生徒会室に呼ばれたのを全校生徒に聞かれてる。いつ知られてもおかしくはない。だから三姫になって、生徒会に守ってもらったほうがいいってことだ」
「っ、そんなぁ〜っ!」

じゃあやっぱり、俺は断わることはできないのか?!
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