東條学園〜恋愛騒動記〜
□恋愛騒動記4
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「──というわけで、今回の会議を終わります。お疲れさまでした」
「お疲れさまでした…」
会長のその言葉に俺は返事をして、俺は力を抜いて椅子にもたれかかる。
や、やっと終わった〜
長い時間小難しい話聞かされて、もうヘトヘトだよ…
「真琴くんお疲れ〜」
「ぐぇっ」
うわっ、セクハラ魔人が横から抱きついてきた!
人がへばってんのになにするんだこのセクハラ魔人っ!
しかもけっこうガッシリ抱きついてきてるから身動きできないしι
「あ〜もうっ! 抱きつかないでください!!」
くそ、けっこうな力で抵抗してんのにビクともしない。
うぅ、これが体格差の力か…すごい悔しい!
このままとか堪えらんないから抵抗したいけど、疲れすぎて力が出せない。
あーもう、本当悔しいっ!
「──雪」
「あ…」
俺がセクハラ魔人に抱きつかれてるのを力が出せないながらもなんとかしようと抵抗してたら、鬼畜エロ会長が咎めるみたいにセクハラ魔人を呼んだ。
その顔はだだっ子を叱るような、まったくもうって感じのやわらかい表情をしてるけど、よく見ると目がすっごい冷たい。
うわ〜、こっわι
あ、セクハラ魔人のやつ、こんな怖い鬼畜エロ会長に不服そうに舌打ちしたぞ。
セクハラ魔人、心臓強いな…
でも、不服なのも舌打ちしたいのも俺のほうだからな?
「なんだよ聖。もう会議中じゃないだろ」
「えぇ、ですがのんびりしていていいんですか? たしか、今日はあの人に呼ばれていたでしょう?」
「あっ、そうだったι……聖、独り占めすんなよっ!」
お、セクハラ魔人が急に黙ったと思ったらなんか叫んで慌てて出てった。
さようなら、セクハラ魔人…もう帰ってくんなよ!
よし、これで一安心だ。
「じゃあ、僕とハルも用事があるから帰るね」
「茶、つき合えなくて悪いな」
え、マジで? せっかくセクハラ魔人から解放されたのに、南里先輩たち帰っちゃうのかよ〜。
唯一まともな先輩たちなのに…少しだけでも話したかったな。
「あの、南里先輩…。俺も一緒に、いいですか…?」
えっ?! 佐々本、お前も帰るのかよっ!
「うん、いいよ。佐々本君も一緒に帰ろ? いいよね、ハル」
「もちろん、俺らと帰れて嬉しいだろぉ? 佐々本」
ハル先輩。撫でてるつもりなのかわからないけど、佐々本の髪の毛がグシャグシャです。
「………」
あぁ〜、佐々本が髪をグシャグシャにされて不愉快そうな顔してるよι
佐々本君、顔怖いぞ。
「──南先輩は、別に」
うわ…佐々本、先輩が嫌がってた名前で呼んだよι
あ、ハル先輩、苦虫を噛み潰したような顔になってる。
「南って言うな。…可愛くねぇなぁ」
そうとう嫌なんだな、春先輩ι
でも、そうなった経緯がちょっと気になるな。
「可愛くなくて、けっこうですから…」
「はい、二人ともそこまで! 早く帰ろうね?」
「はい…」
「‥あぁ」
なんか楽しそうに帰ろうとしてるけど…佐々本、俺のこと忘れてないか?
「佐々本君、待ってください! 僕も──「すいませんが、藍川君は三姫のことについて話があるので残ってください」