龍は刹那と永久を抱く

□龍は刹那と永久を抱く
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鬱蒼とした森を明るく照らしていた日が沈みはじめ、青々とした緑が朱に染められていく。
その朱に染められた若葉のなかにある開けた崖に、光輝く金髪の少年がポツンと立っていた。

その少年の名前はリューイ・アストラス。

リューイの足元には、石が置かれただけの質素な墓が。
その墓の下に眠るのは、唯一の支えだった母だ。

リューイはそっとしゃがんで、持ってきた花を母の墓へと手向ける。

「母さん、今日も来たよ。俺、元気だから……ね? 心配しないで?」

リューイは寂しさをこらえて、母の墓に笑顔をむけた。
亡き母に、心配させまいとしているのだろう。

「今日は来るのが遅くなったからすぐ帰るけど……今度はもっと早く来るから、いろいろ話そうね」

そう言うとリューイは立ちあがって、なごり惜しそうに墓を見つめる。

「じゃあ、またね……」

リューイはそう言って、自分以外に人がいない、寂しい家へと足を進めた。





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