東條学園〜恋愛騒動記〜

□恋愛騒動記2
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「それならまこっちゃん言うな、本山! そんでいきなり抱きつくなっ!」
「えぇ〜、でも〜」
「そんな顔してもダメだからな!」

ちなみにそんな顔ってのは、目をウルウルさせて上目遣いしてんのだ。

本山、絶対わかっててやってるな…

「あ〜、本山が藍川に怒られた〜」
「真井うるさ〜い!」
「2人ともじゃれるな! ていうか、お前もだぞ真井。いくら変な言いわけでも笑うなよな!」
「いや、でもマンホールに嵌まった婆さんって──「とっさにこれしか思いつかなかったんだから仕方ないだろ?!」

反省しない奴はデコピンだ!

「いてっ!」
「まこっちゃん、やっちゃって!」

あ、本山が嬉しそうに目をキラキラさせてる。
でもな本山…

「まこっちゃんじゃないっ!」

呼ぶなっつってんのに聞かない奴だな。
コイツにもデコピンだっ!

「いった〜い!」

結局ふたりして頭を抱える羽目になったな。

「藍川の愛って痛ぇな、本山…」
「そうだね、真井…」

てか、反省してるかと思ったらまだふたりしてふざけてるし。

まったく、コイツらは何回言ったらわかるんだか。
コイツらの相手してたらよけい疲れて眠くなってきたよι

もう限、界…机で、寝たい…
は、早く、早く机に…‥着いた!

「‥おはよう、藍川。朝から疲れきってるな」
「あぁ、おはよう佐々本…寝不足なうえにここまで全力疾走してきたんだよι」

それに──

「アイツらの相手もしたしな」

もちろん、アイツらってのは迷惑デコボココンビな!
あ゛ー‥もうダルすぎて動けねぇやι

あ、今話した佐々本って奴も俺の友達。

いつも無表情であんま話さねぇんだけど…
友達とか気を許した相手には自分から話しかけたり笑顔を見せたりする、かっこいい見た目に反して中身は以外と可愛い奴だ。

「お疲れ。今日、体育なくてよかったな」
「本当だよ、あったら確実に死んでたι」
「今日はゆるい授業ばっかだから寝てろ。昼になったら起こしてやるよ」
「本当か? あんがとー!」

佐々本、お前は俺の救いの神だ!

俺は拝むように手を合わせて佐々本に頭をさげる。
佐々本はそれに気にするなってヒラヒラと手を振ってくれた。

よし、なら佐々本の言葉に甘えて思いっきり眠るか。

「ふぁ〜‥お、やすみ〜…」
「おやすみ…」

そうして机に伏せること3秒。
すぐ眠りの世界に旅立った俺でした。

****

それからどんだけの時間が過ぎたのか。

「わ…い‥かわ…藍川…」

俺を呼ぶ佐々本の声が眠ってた俺の耳に聞こえてきた。
けど‥この気持ちいい眠りの誘惑は‥避けられねぇ、よ…

「あと‥5分ー…」

おやすみ、佐々本…
俺は‥また深い眠りに入るよ…

「たく…起きろっ!」
「いったぁっ!」

やばい、すげぇ痛ぇよ?!
めっちゃ目ぇ覚めた!

やば‥本当痛い…
涙出そう…‥ι
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