東條学園〜恋愛騒動記〜

□恋愛騒動記4
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くそっ、一緒に帰ろうとしてんのになんで邪魔すんだよっ!

「あの、僕は帰りた──「なにか用事でもあるんですか?」
「うっ…‥な、ない…ですけど‥」
「そんなに帰りたいのですか…?」

そういって鬼畜エロ会長は少し寂しそうに微笑んでるけど、その微笑みに無言の圧力を感じますι

「藍川。話しくらい聞いて、三姫のことをもっと知っておけ…」
「そんな‥佐々本君、僕を見捨てるんですか?!」

佐々本、先輩たちと早く帰りたいのはわかるけど…
あいつに協力すんのはやめてくれぇっ!!

「見捨てるって…今知っておいた方があとで困らないし、楽だろ?」
「ですけど!」

相手は鬼畜エロ会長なんだぞ?
また変なことされたらどうすんだよっ!

「佐々本くんの言うとおりだよ、藍川くん。大変だと思うけど…がんばって? ね?」
「俺達と一緒に帰るのは、また今度な?」
「せ、先輩たちまで…」

泣ける、泣けるぞ!
結局、俺は残されるのかっ!

あ〜ぁ、仲良く3人で帰ってくよ先輩たち…

これで生徒会室には、北条先輩たちと二ノ宮君、鬼畜エロ会長と俺の5人になった。

「むぅ〜! せっかくみんなでお茶しようと思ってたのに〜」
「「ねぇ〜?」」
「藍ちゃんたちもお話があるみたいだし…」
「「つまんなぁ〜い!」」

北条先輩たちはそう叫んで不満そうに唇をツンと尖らせてる。
だいぶ不機嫌そうだな…大丈夫か?

てか、ちょっと待って。さっき北条先輩たちが言った藍ちゃんて…俺のあだ名か?
藍ちゃんとか呼ばれんの嫌なんだけど!

まぁ、今そんなこと言ったら火の粉が飛んできそうだから言えないんだけどι
でも困った。これじゃあ動きづらいな。

そんなふうにどうしようか悩んでたら──

「仕方ないですよ、先輩。皆さん、用事があったんですから…ね?」

二ノ宮君がそう言って、小首を傾げながら優しく微笑んだ。

うわ、めちゃくちゃ可愛い
マジ天使…天使の微笑みだ!

「‥まぁ、そうだねー」
「可愛いい悠ちゃんに免じて、諦めますか〜」

うわ、先輩たちさっきまですっごい不機嫌だったのにめちゃくちゃニコニコしてるよ。
さすが天使の微笑み…マジックだよ、二ノ宮マジック。

「では、僕達は話があるので会長室に行きますね」
「──はぁ?!」

え、なに今の言葉!
会長室に行くだって?!

「ここの鍵は、先輩たちが閉めておいてくださいね?」
「「うん、わかったぁ〜♪」」

うん、わかった〜♪ってちょっと待て!
先輩たちは元気よく返事をしてるけど…俺は不満だっ!

「ちょっと待ってくださいよ、なんでわざわざ移動するんですか。別にここでもいいじゃないですか!」
「せっかくお茶をしているのに、僕たちの話で邪魔しては可哀想でしょう?」
「それは‥そう、ですけど…」

でもふたりっきりになったら、またなんか変なことされそうだしι
うぅ、なんかいい考え思いつかないかな。

「藍川君も集中できないでしょうし…ほら、行きますよ?」
「ちょっ! 引っ張らないでください!!」

くそ、手ぇ掴んで強引に連れてこうとすんなぁっ! ちょっ、誰か助けて!

そう思って視線をみんなの方に向けるけど、唯一いる先輩たちは──

「「頑張ってねぇ〜♪」」

って手を振って楽しそうに眺めてるし、頼みの二ノ宮君も──

「が、頑張ってください…」

そう言って、困ったように苦笑してるだけで止めてくれない。

くそ〜、みんなの薄情モノ!!





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