新ゲ

□平穏な日常が壊れる瞬間
1ページ/2ページ


俺が自分の部屋で、珍しく本を読んでいる時だった。
何の本読んでるかって?

聖書

柄に合わねえってか。んな事分かってる。だってよ、これしかねぇんだもん。あーあ、漫画読みてぇな〜。
そんな時だった。

「竜馬」
「ん?」
「………何を読んでいる」
「え、聖書」
「病気か?」
「んな訳ねぇだろ。読むもんがねぇんだから。で、何だよ」
「………呼び出しだ」
なるほどな。俺は聖書をベッドの上に置いて、隼人の後を追い掛けた。



隼人が向かった先は、指令室だ。
「ようやく来たか」
「で、俺達を呼んで何をする気だ」
隼人が若干爺にキレかかっている。ってか、何で弁慶までいんだ?
「ほら」
そう言って何かを投げた爺。それを隼人が受け取る。
「………これは」
「買い物リストと金だ。書かれている物を買って来い」
「何故俺達が?研究所から離れたら、危ないんじゃないのか?」
「そんな事は分かっている。だがな、誰一人手が空いておらんのだ。お前達は暇だろう」
「そうだが………」
「ほら、文句を言ってないで行って来い」
「………」
隼人はそのメモと財布を持って、指令室を出て行った。俺と弁慶は、後を追い掛ける。



研究所を出て、山を下りて、来たバスに乗って。

東京に着いたけど。これからどうすんだぁ?
「………取り敢えず、こいつらを買いに行くぞ」
隼人が俺に見せて来たメモ。そこに書いてあったのは、実験で使うもんだろう。後ゲッターの整備で使う工具たち。
「なら、●ームズ?」
「ああ」
「おい弁慶、行くぞ」
「はーい」
あー、どうしてこんな野郎共と仲良く買い物しねぇといけねえんだ。


で、●ームズに着いて。カートは俺が押してけってよ。まあ、別にみたいとか思うもんは、ここじゃねぇからな。
「あー、漫画読みてぇ………」
ちょっと零して見た。
「………後で買ってやる」
「え、マジ?」
隼人にしては、珍しいな。
「………あれ、弁慶は?」
「さあな」
「ったく、あの野郎………」
まあ、迷子になんかならねぇだろ。一応大人だし。


俺達はメモに書かれた工具を籠に入れて行った。
「後……、コ●マにも行かないといけないな」
「え、何で?」
「電球が無い、とある。それに電池もだ」
「ふーん………。なあ重くなるけど、持って帰れんのか?俺達、車とかねぇぜ?」
「心配ない。後で迎えの車が来る」
「ふーん………」

それから、大体籠に入れてって。
「これで、ここは終了だな」
「へーい」
ったく。何で隼人と買い物なんか………。
「………あ、」
「ん?どうした、竜馬」
「いや………」
お菓子買いてぇな。何か思っちまった。
「……少しだけなら良いぞ」
「へ?」
俺の心は、コイツに見透かされてんのか?流石隼人様。
俺は少しのお菓子を籠の中に入れた。
「………なぁ」
「?」
「こんなに平和で、良いのかな」
「………さあな」


そして会計を済ませ、弁慶も来て。ここから出ようとした時だ。
「キャーー!」
突然の悲鳴。慌てて悲鳴が聞こえた出入口の方を見て見ると、そこには角が生えた人間の姿が見えた。
「鬼ぃ!?」
「くそっ………!」
「ど、どうすんだよ竜馬!」
「知るか!何か武器になる物………」
俺はキョロキョロと何か無いかと探していた。すると、警備員が駆け付けて来た。
「なっ、何だぁ?!」
鬼を見て、当然の事ながら驚いている。
「おいお前等!死にたくなかったら、拳銃を貸せ」
隼人が警備員の胸倉を掴んでいた。ったく、乱暴な………。
「弁慶!みんなを避難させろ!噛まれたら鬼が増えるだけだぜ!」
「おう!」
さて、と。暴れてやるか。
「………ったく、いつの間に鬼が二体になってんだよ」
「竜馬!来るぞ!」
隼人は銃をぶっ放していた。俺は鬼の頭を殴りつけていた。
「おらおらぁ!」
奴等の頭を完全に粉砕して。
「………最小限に、被害は食い止められたな」
「ああ。………けど、どうする?」
「………死体だけ何処かに移動しておかないと。騒ぎが広まると厄介だ」
まあ、確かに。

で、死体をばれない様にでかいビニール袋に入れて。それを適当にここの廃棄物処理の場所に置いて来た。
「んで、車は?」
「………今の騒ぎで、来られないだろう」
「何で?!」
「……見て見ろ」
俺達は裏口から出てるけど。表の方をちらっと見て見たら、まあすっげー数のパトカー。こりゃ、下手に出て言ったら、捕まるわな。
「………こっちから行こうぜ」
弁慶………。そうだな。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ