ネオゲ

□理想と幻想
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竜馬と一緒に暮らして、もう一週間。早いものだな。恐竜帝国も滅んで。
俺達はとても平和に暮らしている。勿論二人だけでだ。研究所には、車で通っている。
竜馬は、ほとんど専業主婦と変わらぬ毎日を過ごしている。本人はそれで良いらしい。
だが、いい加減髪が長くて邪魔、と言っていて、ある日突然切ってしまった。まあ、昔の竜馬の姿に戻るだけだから、良しとするか。

俺は自室で、パソコンに向かって仕事をしていた。仕事と言っても、ゲッターについて、なのだが。
「隼人ー。晩飯どうする?」
「お前でも良いが……」
「ふざけんな!」
一発殴られる。これも、日課だ。ほとんど毎日言っていて、殴られている気がする。
竜馬は、俺の部屋に来ていた。洗濯物を置きに。今は、もう夕暮れだ。
「ならさ、今日カレーでも良いか?」
「ああ」
竜馬は、昔に比べて料理の腕が確実に上がった。とても上手くなっていた。これは、もう早乙女研究所には行かせられなくなったな。何をさせられるか………。

その時。家のチャイムが鳴る音がした。

「誰だろ?」
竜馬が玄関に向かう。

そして暫くして、俺の部屋に號が入って来た。
「神さーん」
「どうした?」
「いや、ちょっとみんなが見て来いってさ〜」
………………ああ、なるほど。號は俺の部屋に入って来た。そして、俺のベッドに座っていた。
「竜馬は?」
「晩飯の準備、とか言ってたぜ?本当に夫婦みてえだな」
そうだとも。俺は、やっと竜馬を手に入れたんだ………!長かった。こうして、二人で暮らすのは。
竜馬の記憶が無くなった時は、本当に絶望した。俺の事も覚えていないなんて……!それに、俺と過ごした夜でさえ覚えていないって……!俺は必死で竜馬の記憶を蘇らせようと、ありとあらゆる事をやった。だが、駄目で。武蔵が死んだら、竜馬の記憶が戻ったと言う、現実だけがそこにあった。
「あ、なあ神さん!この生活、楽しいか?」
「ああ。………毎日竜馬の笑顔が見られるからな。それに、ずっと傍に居られる。仕事から帰ってくれば、竜馬が居る。アイツの飯も食える。これ以上幸せな事は無い」
「………何だか、安心したぜ」
號?
「……実は、さ。ちょっと心配だったんだよ。神さん、元気が無い時多かったろ?恐竜帝国が滅んだ後も。まあ、俺だってそうだったけどな。また復活したらって思っちまってて」
そうだな。また復活したら、今度はどうなって行くのだろうな。世界は。
「………まあそうなったら、俺がまたゲッターに乗って戦うまでよ!」
「……そうだな」
「あっともう一つ!………なあ、その………」
何だ、言いにくそうだな。
「………子供とかって、欲しいとか思った事あんの?」
!!??號、お前、何を考えて………!
「あっ………えと。いや、だってよ!やっぱ一緒に暮らしてさ。好きな人と毎日一緒に居るんだろ?だったらって……」
「………………」
答えるべきだろうか。いや、寧ろ答えたい。
「(しょーう!これで俺が死んだら、お前のせいだからな!)」
「………欲しい、とは思っている」
「!?(マジっすか!)」
「………だが、流石に無理だろう。……しかし、もしも本当に出来るのなら、欲しいな。竜馬に似た、可愛い子供を」
「………そっか。出来るといいな」
「そうだな……」
俺が、ふと笑っていると、號がアッと言う顔をしていた。
「………隼人。今の話、マジか?」
「……聞いていたのか」
「ったりめえだ!てめえ!マジに考えてんのか?!」
そこには、ピンクのエプロンをした竜馬が立っていた。勿論俺が買って来たやつだ。可愛いな。
「………冗談だ」
「いいや!てめえの冗談は大体が本気じゃねえか!」
俺は胸倉を掴まれた。ちらっと號の方を見た。
「ええっと。じゃ、俺それだけだから!また!」
逃げたな………。
「隼人ぉぉぉお!」
「………どうした。用でもあったんじゃないのか?」
「え?………ああ、そうだった。んな事で怒ってる場合じゃねえや。あのさ、カレー、どっちがいい?」
「お前に合わせていいぞ」
「マジ?なら中辛な〜」
それだけ、か。竜馬はそのまま去ろうとした。けど俺は止めた。奴の手を掴んだ。
「おい、飯作るから」
「分かっている。だが、抱き締めても良いだろ?今日まだ一回も、抱き締めていない」
「………ばか」
そうは言うものの、お前だって抱き締め返してるじゃないか。素直じゃない所が、可愛いな。
「………続きは、飯食い終わったらな」
「ああ」
そう言って竜馬は、キッチンの方へ戻った。本当に可愛いな。
さて、と。残りの仕事を終わらせるか。






END(あとがき)
書いてしまった……。ネオゲの最終回後の、隼竜のイチャイチャ生活の一部を……!前々から書きたいと思っていたのですが、どうも良いのが考え付かなくて。これが一番書いた中でまともです。
私は隼人をどうしたいのでしょうかね(笑)本当に竜馬の事が好きな隼人、ですね!

ここまで読んで下さって、ありがとうございました!

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