真ゲ

□束の間の休日
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俺はその日、朝から機嫌が悪かった。
理由は、いつもの如く隼人だ。

朝5時。俺は隼人によって叩き起こされた。
「りょーーまぁぁぁああ!!」
「!!??」
人の部屋に入って来たと思ったら、布団を剥がされた。
「ぎゃっ!てめぇ!何しやがる!」
「起きろ!」
それだけ行って来やがった。って事は、インベーダー共が襲撃して来やがったのかぁ!?
「インベーダーかっ!」
「………いや違う」
「……なら何だ」
「………お前に会いたかった」
この男………、いつか殺す。俺が殺意を込めて拳を握っていると、突然隼人が俺を抱き締めて来やがった。
「……正直話すとな。悪夢を見たんだ」
「………まさかその年になって悪夢に魘された、とか言うんじゃねぇよな?」
そこで黙り込む隼人。ったく、いつまで経っても、お前はあの時のお前か。
「………お前が消える夢を見たんだ。……お前が、ゲッターと共に行っちまう夢を」
随分、現実的な夢じゃねぇか。有り得そうな夢だ。
「何処にも行くな。永遠に俺の傍に居ろ。………たとえ世界が滅んだとしても。お前は俺の傍から離れるんじゃねぇ……」
「………安心しな。世界を滅ぼさせねぇからよ」
俺は隼人の背中を、ぽんぽんっと叩いた。
「……竜馬」
「ん?」
「………いや、何でも無い」
何だよ、気になるじゃねぇか。俺が聞こうとした時、緊急サイレンが鳴り響いた。多分今度こそ、インベーダーだ。
「!インベーダーだ、竜馬!」
「言われなくても、行くぜ!」
俺は隼人から離れ、早々に格納庫へと走って行った。





いつものようにインベーダー野郎を打っ潰して。俺は格納庫から指令室に向かっていた。
「隼人ー?」
「ああ、お疲れ様」
隼人は書類を片付けているようで。何でかしんねぇが、そこには渓がいた。
「あれ、渓……?」
「あ、竜馬さん」
「どうした?」
「報告です」
あー……。そうか。渓は隼人に今日の戦いを報告して、この部屋を出て行った。
「………どうだった?早乙女の動きは」
「分かんねぇ。今日は出て来なかったぜ」
俺は一息を付きたくて、ソファーに座った。その時、隼人がマグカップを渡してくれた。珈琲を淹れてくれたみてぇだ。
「サンキュー」
「……竜馬」
俺を呼ぶ隼人。俺は珈琲を一杯飲んでから、隼人の方を見つめた。すると隼人は俺を見つめていた。
「ん?何だ」
「今日も可愛いと思ってな」
俺はこのマグカップを投げようかと思った。けど、流石に堪えた。
「っるせぇぞ」
「事実を言ったまでだ」
あぁ、もう!この男は……!俺は込み上げて来る怒りを抑えるので精一杯だった。
「勝手に言ってろ!」
「ああ、お前に言われなくても言うさ。可愛い」
そう言いながら、俺の髪に触れて来る隼人。………不思議な野郎だ。
「………竜馬」
「んだよ」
「………知っているか?今日がどんな日か」
んー?
「………今日は真ゲが15周年らしい」
「へぇー」
そうだったのか。時が経つのがはえぇな。俺はそう思いながら、珈琲を飲んでいた。
「………それで、だ。折角の15周年。何かしようと思う」
「ん?」
「たとえば、お前がセーラー服を着るとか、ブレザーを着るとか……」
………突然何を言い出すかと思えば、この男はっ……!俺はマグカップを机の上に置いて、隼人の頭を殴った。
「っ!何をする!」
「てめぇが変な事を言うからだろ!」
「………今日ぐらい、良いだろう」
良くねぇ!たとえめでてぇ日だろうがなぁ!俺はソファーから立って、指令室を出て行こうとした。すると後ろから隼人に抱き着かれた。
「離せぇ!」
「………嫌だ」
はぁー。………俺は呆れつつも、決してその腕を振りほどこうとはしなかった。
「隼人」
「何だ?」
「……今日飲もうぜ?」
「……たまには良いか」

その後俺達は酒を飲んで、今日を祝った。後から凱や弁慶達も来て。皆で飲み明かした。


まぁ、たまには、な。こんな日も良いな。
束の間の休日ってやつだな。














END

今日が、真ゲ15周年、と言う事だったので書かせて頂きました!
(あぁ、15周年なのに、こんなので良いのだろうか……)

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