ゲッターロボ

□攻める理由(わけ)
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平穏な日常って、一瞬で打ち砕かれるよな。

俺達の場合は、敵だ。攻めて来なければ、毎日が平和なんだけどな。
「鬼と思われる生き物が出現しました!」
研究員の声。よっし!俺がまた、ゲッターと共に倒してやるよ!
「おし!行くぜっ!隼人!弁慶!」
「おう!」
「ああ!」
俺達はゲッターの所へ走って向かった。
「おい!俺達も行くぜっ!」
號達が後から追い掛けてきた。向こうは真ゲッターに乗って。
ま、ゲッター二機もいれば、無敵だろ!



「へっ!鬼何ざ、俺達にかかれば……!」
いつもの様にゲッター1にチェンジをしようとした時だ。鬼が俺のイーグル号にだけやたらと攻撃をして来た。
「………は?」
いつもと違う攻撃。まあ、鬼自体が違げぇんだけど。けど、俺だけ狙われる事ってあったか?いや、無い。
「リョウ!?くそっ!翔、凱!イーグル号を援護だ!」
「ああ!」
「勿論!」
真ゲッターが、鬼を攻撃してくれている。今の内だ!
「大丈夫か、竜馬!」
「多分……!行くぜっ!」
ゲッター1にチェンジして。
「仕返ししてやるぜぇぇぇえ!!」
半殺しじゃ駄目だ。マジ殺しだぁぁぁあ!


俺はまた無茶しそうになった。けど、隼人の声で無茶は回避出来た。


「オラオラァァア!んなもんかよ!てめぇの攻撃はぁぁああ!!」
ゲッタートマホークで切り付けながら、俺はそう叫んでいた。
「………よし!」
止めのゲッタービーム。そして鬼は消えた。
俺達が安心していると、変な声が聞こえてきた。
『………はははっ!流石だな、流竜馬!』
「!?誰だ!」
『我が名は帝王ゴール!』
「なにっ!」
その名を聞いた號、翔、凱が声を揃えて驚いていた。
「お前!あの時確かに俺達が………!」
號が驚いている。初めて見たな、あの號が驚くの。って、ゲッターに乗ってるから顔は見えねぇけどさ。
『………流竜馬!必ずや貴様を手に入れてやる!』
「………はっ、良い度胸だな!やれるもんなら、やってみやがれ!」
そして、そのゴールって野郎の声と気配が消えた。




研究所に戻って。
俺は神大佐に、恐竜帝国の説明を受けた。勿論隼人も一緒に。弁慶は、無理だろ。
「………恐竜帝国は、號達の乗る真ゲッターで倒した。筈だったのだが………。何故だ。何故復活している……!」
テーブルを殴る神大佐。俺と隼人は、お互いの顔を見つめた。
「………で。どうしてその復活した帝王が、俺を狙ってる訳?」
「……それはなぁ、お前が俺だからだ」
「竜馬………」
竜馬が、いつの間にかこの作戦室に入って来ていた。
「俺は一度、恐竜帝国に捕まっている。………アイツ等、俺の記憶が無い事を良い事に、俺に何かの実験をしようとしていたのさ」
「………そして、竜馬と同じ顔、身体能力を持つお前が、新ゲッターと言う新たなゲッターに乗って現れた。……もし俺が敵だったらまたとないチャンスだ。当然捕まえる」
「………けど、何故蘇った?倒したんだろ?完璧に」
「………………俺達にも、分からない。何故奴が蘇ったのか」
「………鬼の力」
そこで隼人が、腕を組んだまま話し出した。
「俺達と一緒に来た鬼。奴らが、そのゴールって野郎を蘇らせたとしたら?」
まあ、あり得る話だろう。鬼は、変な力を持っているしな。
「………竜馬、暫くゲッターに乗るな」
「えぇっ!何で!」
「敵の狙いがお前と分かった今、お前をゲッターに乗せる訳にはいかない。ゲッターに乗って鬼の所に行って見ろ。捕まりに行くようなもんだ。安心しろ、俺達が守ってやる」
神大佐はそこで立ち上がった。そして、作戦室から竜馬と一緒に出て行こうとした。
………あ、と。何だろう、凄く申し訳なさが。
俺達がこっちの世界に来て。敵が来たのも俺達のせいで。それで守られるって。
「………いや!戦う!」
「……駄目だ」
「たとえ何と言われようと、俺は戦うぜ!………だってよ、鬼は俺達が連れて来ちまったんだ。全ての責任は、俺達にある」
「………確かにそうだな」
お、分かってくれたか、神大佐!
「………だが、駄目だ」
「何で!」
「たとえ事の発端がお前達だろうが、こっちは俺達の世界だ。俺達の言う事には、従ってもらおう」
そう言って、作戦室を出て行った二人。
「………なぁ隼人。俺、ここに居ちゃいけねぇ気が………」
「だが、どうやって元の世界に戻る?」
それを言われちまうとな。言い返せねぇ。
「……戻る手段が見つからないんだ。ここは大人しく、アイツ等の言う事に従うしかない」
「けどゲッターの操縦は?!」
「………竜馬、奴が居る。神大佐が無理だとしても、竜馬なら」
まあ、確かに。引退してるとは言え、もしもの場合には、出てくれんだろう。
「………部屋に、戻ろう」
俺と隼人は、自室に戻った。
戻るしかねぇよな。
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