ゲッターロボ

□終わり無き使命
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敷島博士の薬のせいで、俺は一時的に小さな体になっていた。けど一週間ぐらいしたら、元通りの身体に戻って。

俺は何処にも行けねぇから自分の部屋に居る。ベッドの上で寝転んで。天井を見つめている。
「………」

俺自身が、ゲッターロボ。
いや、そんな筈はねぇ!だって隼人が良く俺の事を調べてるけど、何も言わねぇし。

俺の血の中にゲッター線が流れているのなら、何とかして取り出したい。だって放射線だろ?普通に考えたら、俺は死んでる。けど生きてる。
こっちの世界に来てから、俺の身体にそんな事があると分かった。勿論晴明の仕業だろうけど。
お陰で俺はこちらの世界では、お姫様の様に敵に狙われて。あーあ、嫌だね。
晴明の野郎、次あったら消す。

コンコン

ノックの音が鳴り響いた。
「どーぞ」
部屋入って来たのは、神大佐だ。
「何か用か?」
「………用が無ければ、来てはいけないのか?」
「いや………」
俺が寝転んでいるベッドの上に座って来た。
「……もう少し、小さいままで居てくれても良かったんだぞ?」
「へっ。誰が」
良かったぜ。薬の効果が一週間で。もしもあのままだったら俺は………。考えたくもねぇわ。
「リョウ………」
気が付いたら神大佐の顔が、俺の顔と近かった。俺はぎょっとして顔を赤くし、慌てていたが、神大佐はすっと俺の顔から離れた。
「直ぐ顔を赤くするところは、竜馬と変わらんな」
「!てめぇ………」
殴ろうかと思ったけど、抑えた。そして神大佐は俺の部屋から出て行ってしまった。


そして俺が部屋から出て、トイレに行った帰りに、それは鳴り響いた。
「!サイレン………」
「竜馬ー!」
「隼人………」
「急いでゲッターに乗れ!鬼が現れた!」
「おうよ!」
俺は隼人と共に走ってゲッターのある格納庫へと向かった。


弁慶はもう居て。
「ってか、俺がゲッターに乗って良いのか?」
一旦止まって。俺はそこに居る神大佐に聞いてみた。
「もう真ゲッターは鬼を倒しに向かったのだが、鬼の数が多くてな。それに、竜馬は今不在でな。お前しか居ないのだ」
「………そう言う事なら!」
俺はイーグル号に乗り込んだ。
「よし!俺達の力、見せてやろうぜ!隼人、弁慶!」
「おう!」 弁慶
「ああ!」 隼人


街に着いた時、真ゲッターがもう大体の鬼を片付けていた。
「こらゲッターロボ!何で出て来やがった!」
號の声が聞こえた。
「仕方ねぇだろ!神大佐が出動しろって!」
俺は號に怒鳴りつけた。
「ったく。んなら、行くぜ!」
真ゲッターと共に、俺達は残りの鬼を倒して行った。


「はぁ……、はぁ……」
俺は何故か息が上がっていた。
「!?どうした、竜馬!」
隼人か………。
「何か、分かんねぇけど、息が………」
別に俺自身が戦ってる訳じゃねぇのに、どうして………!俺が不審に思っている時だった。
『はははっ!流竜馬!どうだ?私からのプレゼントは!』
この声は、晴明………!
「てめぇ!俺の身体に何をした!」
『自分で考えるんだな!とにかく、ゴールも他の敵も、お前自身を狙っていると言う事だ!精々逃げ回るが良い!』
そして晴明の声が消えた。

鬼も街から居なくなったので、俺達は浅間山へと戻った。

俺がイーグル号から降りて、神大佐の所に行こうとした時だ。突然目の前が真っ暗になった。
「あ、れ………」
俺はそのまま倒れそうになった。
「!竜馬」
だがそれを隼人が防いで。俺の腕を掴んで、自分の肩に俺の腕を回した。
「大丈夫か?」
「あっあぁ………」
ヤバい。酷く、身体が痛い。それに、熱い。息も上がっている。
「おい神大佐!早くこっちに来てくれ!」
弁慶がずっと向こうに居る神大佐を呼んだ。
「リョウ?」
走って俺の所に駆け寄って。俺の顎を掴んで、俺を見つめる。
「顔が赤いぞ?」
「えっ………。はぁっ、はぁっ」
「!」
やべぇな。マジで、ふらふらする。何で………。
「………神大佐、その手をどけてもらおうか?竜馬を部屋に連れて行く」
「………………ああ、そうしろ」
俺はふらふらで歩けないので、隼人が俺を負ぶってくれた。けど、何でかしらんが、姫様抱っこってやつで。その方が持ちやすいとか。いや、絶対違うだろ!けど、今はそんな事怒鳴っていられず、隼人に任せた。
「俺の首に手を回せ」
「ん………」
ぼーっとする。インフルエンザ……?ゲッターに乗っただけで?あ、いやもしかしたら竜馬が前に乗ってたからアイツから……?
あー、もう駄目だ。何も考えられねぇ。



「………神大佐、リョウの奴、どうなっちまったんだ?」 弁慶
「さあ……。ただ言える事は、あの晴明とか言う奴が、リョウの身体に何かをしたと言う事だ」 神大佐
「リョウ………」 號
「………(あの潤った瞳。息が上がっている。熱もある。普通に考えたら風邪の一種だろうが。相手は晴明。変態と聞いている。………まさか!リョウの身体を、男が狙いやすいように………)」 神大佐
「………なあ神大佐。にやけてねえか?」 號
「……多分邪まな事でも考えているんだろう」 翔
「これだから……。今頃流さんが居たら、殴られてるよ」 凱
「………どっちの隼人も同じって事か。情けない………」 弁慶
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