マジンカイザーSKL

□闘いがあるから
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静かな夜の荒野。
変だな。両軍、夜中には出動しねぇってか?おいおい、そりゃ、今までとは違うんじゃねぇのか?まあ良いか。平和なら。
「あーあ、まともなもん、食いてぇな」
ここの所、マジに適当なもんしか食えてねぇ。
「文句を言うな。食えるだけでも有り難く思え」
「へいへーい」
真上の野郎、良く食えるよなこんなもの。虫だったり変なヤモリ?だったり………。
俺はその場で仰向けになった。
「………星が綺麗だな」
「ん?………あぁ」
こうして星空を見た事なんか、無かったな。いつも戦ってるからな。命がけなんだ。見てる暇なんかねぇよ。
「………あーあ、まともなもん、食いてぇ」
「さっきも言った台詞だぞ」
「だって、………」
俺がため息を零していると、真上が俺の真正面に居て、俺の顔を見つめていた。
「んだよ」
「………可愛いな」
「Σ」
コイツ、とうとう頭がイカれたのか?!っと思ったけど、そうだった。コイツ、俺の事好きだったっけ。
俺の前から真上が退いた。
「……戦う事だけが俺達の生き甲斐」
「?」
「戦っている時だけが生きていられると思える」
「………」
「もし戦いが無くなったら、お前はどうする?」
「そんな日、来んのか?」
「仮定上の話だ」
うーん、もしそんな日が来たら………。
「真上の嫁にでもなってやろうか?」
「!?」
「嘘、冗談だよ」
そんな事したら、身体が幾つあっても足りねぇよ。俺がははっと笑っていたら、また俺の目の前に真上が居た。流石の俺も、ぎょっとした。
「!?」
「なら名前で呼べ」
「だから嘘だって!」
「呼ぶぐらいなら良いだろ?」
「………」
何でだろう、恥ずかしい。俺は起き上がり、立ち上がった。そして真上に背を向けた。
「……………遼」
ぼそっと、小声で呼んだ。聞こえてねぇと良いんだけど。
「何だ、剣」
うわ、聞こえてたのか………。
「お前が呼べって言ったんだろ」
「ああ。………つまらないな、もっと何か」
「これ以上求めんな!」
俺はそこで真上に殴り掛かった。まあ、当然の如くその拳を受け止められる。
「久々にやるか?」
「手加減無しだぞ」
本当はお互い、ちゃんと休憩しなきゃいけねぇのに。俺達はそのまま朝まで喧嘩をしていた。






「ったく、マジにやる奴がいるかってんだ」
もう夜明け。結局あれから一睡もしてない。
「ふぁーぁ、ねみぃ………」
「なら寝ろ。俺は平気だ」
「良く言うぜ………」
あー、駄目だ。もう限界だ。
俺はそのまま倒れるかのように、寝た。
「全く………。本当に餓鬼だな。………もしも、本当に戦いが無くなれば、俺は」











END

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