デビルマン

□Nightmare
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特に激しい運動もしたわけでもないのに、今日はとても眠気が襲って来た。そりゃあ、いつも夜はデーモンと戦ってるけどよ。
けど、この眠気は違う。……一体何なんだ?
「明君?」
「………え?」
「さっきから、ぼーっとしっぱなしよ?大丈夫?」
「あー……。眠いのかもしれない」
「……そうなの?なら、帰ったらすぐに寝なさい」
「はーい」
自分がデビルマンになっても、美樹ちゃんには勝てないな。




そして牧村家に帰って来て。
俺はそのまま自分の部屋に向かって、ベッドに倒れ込んだ。
「………疲れてるのかな」
自分でも、分からないぐらいに眠い。寝過ぎ、と言う訳でも無さそうなんだけどな。
いいや、寝よう。きっと寝たら、治る……。






目が覚めた時。俺は、見慣れない景色の所に居た。多分森か何処か……。それも、日本じゃ無い何処かだ。
「……夢、でも見てるんだよな」
けど、変な感覚だ。まるで本当に此処に居るみたい……。そんな時だ。誰かが、俺を呼んでいるかのようだった。声が聞こえたんだ。それも、不気味な声……。
「………逃げた方が良いよな」
俺は一目散に逃げた。とにかく走った。何かが俺を、捕まえようとしている。そんな気がしたからだ。



そして森から抜け出して。
俺の目の前には、古びた教会があった。隠れるのには良さそうだな。
取り敢えずそこに入って。
本当に、古びた教会、何だな。……デーモンでも居そうだ。そんな事を考えながらここの教会内を歩き回っていると、何かの物音が聞こえた。俺は慌ててその音がした方へと向かった。

物音は、二階から聞こえた。俺は恐る恐る二階へと上がって。息を殺しながら、その音がした部屋へと向かった。扉の隙間から零れる光。やっぱり誰かいた。牧師かな?そう思って、その隙間から中の様子を伺った。すると、そこに居たのは、了だった。誰かと話している……?いや、それ以前にどうして俺の夢の中に了が……。俺はとにかく、黙ってその光景を見つめていた。
「………いつになったらあなたは、不動明を、殺すんですか?」
……え?了が、俺を、殺す………?嘘だろ?
「………殺しはしない。何が何でも。……明だけが生き残ってくればそれでいい」
了……。お前、何を言って………。
「……本当に、不動明の事がお好きなんですね」
「当たり前だ!明は、明だけは……。誰にも渡したくない。……明」
了、お前は一体……。
俺がそこで疑問を浮かべている時だった。突然、ふと何かが俺の肩を掴んだ。その時だった。
「うわぁぁぁああ!!」
「明!」
「!了……」
どうやら夢から目が覚めたようで。見渡せば、いつもの俺の部屋だ。って、何でここ(牧村家)に了が?
「……大丈夫か?魘されていたぞ」
「………悪夢を見たんだ」
「悪夢?どんなだ?」
「………了が、俺を殺すとか」
「……何馬鹿な事を言っている。そんな事、絶対にするもんか」
そう言って俺を抱き締めてくれる了。
この時、何故か俺は涙が出ていた。何でだろう、何で……。
「………了、俺を、見捨てたりしないよな」
「何を言ってる!……寧ろ、俺を見捨てないでくれ」
「了。………うん、何が何でも見捨てない」
俺はぎゅっと了の服を掴んだ。

で、結局ここに居る理由を話してはくれなかった(汗)







あの夢は、あれ以降も見る。
理由は、何でか分からない。けど、一つだけ分かる事がある。それは、了の姿がいつもの姿では無い、と言う事。
………そう、天使の姿をしていたんだ。
















END

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