新ゲ

□平穏な日常が壊れる瞬間
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そしてコ●マ電気に着いて。
「弁慶、お前重くねえの?」
エスカレータを上がっている時、弁慶の両手に目を向けた。
「ああ。これぐらいは何とも」
「そうか」
「ってか竜馬。お前、顔に血が付いてるぞ?」
「え?」
俺が頬の辺りを触ってると、隼人が前を向けって言って来て。前を向いたら、隼人が俺の方を見ていて、ティッシュをポケットから出して、拭いてくれた。
「気を付けろよな」
「………へいへい」
確かに、血が付いてたら、やばいよな。
んでメモに書かれたものを籠に入れてる時だった。
「………竜馬。さっきから気付かないか?」
「何が?」
「……誰かに見られている」
えっと思い、辺りを見ようとしたが、見なくても直ぐに分かった。俺達の後ろで、店員と何か話している、刑事と思われる男が俺達の方をさり気無く指を指しながら、何かを話していた。
「………どうする」
俺は小声で隼人にそう聞いた。
「……………とにかく、店の中にいれば大丈夫だろう」
「そうだけど………」
このままここに居ても、しょうがないしな。

弁慶はそんな事も知らずに、呑気に携帯の所を見ている。

「………多分さっきの騒ぎで、俺達の姿を見た奴が、警察にでも言ったんだろう」
「……」
それしか、考えられねえよな。
俺達が悩んでる時だった。
「神さん、流さん!」
多分研究員の一人だと思う奴が、俺達の目の前に現れた。
「車………」
「ああ。今行く。竜馬、先に乗ってろ」
「へーい」
俺は弁慶の方に行った。さり気無く二手に分かれてんのな。慌てた刑事らしき男は、俺の方について来た。
「おい弁慶。行くぜ」
「ああ」
そして研究員と一緒に、俺は走り出した。
「あっ」
そんな声が聞こえた。

そして全力ダッシュで、車に乗り込んだ。そして一旦車を発進させ、ここから一旦離れ、奴らを誤魔化した。
そしてまた店の前に戻って来て。隼人を乗せて。研究所の方に走り出した。


「驚きましたよ。●ームズに行ったら、パトカーが沢山いて。それで降りて話を聞いたら、変な男三人が人じゃない何かを殺してた、と言っていたので」
運転する研究員は、ははっと笑っていた。
「それでコ●マに行った時、パトカーが止まっていたのでもしかして、と思って中に入って見たんです」
「マジ助かったぜ〜」
俺は後ろに座りながら、そう言っていた。前には隼人。弁慶が前に座ったら、運転手の兄ちゃんに悪いからな。
「それで、頼んでおいた物は買って来てくれましたか?」
「ああ。………何故鬼が町中で現れた」
「………俺にも良く分かりません。多分、貴方方を追いかけて」
「俺達を?」
「はい。レーダーでは、一度研究所に来たのですが、突然消えて……」
なるほどな。って事は、俺達の誰かを狙って、だな。おもしれぇ!いつでも掛かって来いってんだ!


研究所に帰って来て。結局漫画は買えなかったか………。まあ、仕方ねえか。鬼が来たんだし。
爺に買った物を渡して。
「町で鬼と戦ったそうだな」
「ああ。ったく、何なんだろうな」
「仕方の無い事だ。………だが、少々厄介な事になったぞ」
爺がモニターの画面に、とあるニュースを映し出した。
人間では無い何かが、突然現れ人を襲った。と書いてあった。そしてそれを殺していた男二人。
俺達の事か。
「まあもう町に行く事も無いと思うが。………もしも東京に鬼が出たら、ゲッターで対応しろ。絶対に降りるな。警察の面倒事には、巻き込まれたくないだろう」
「ああ」
俺は指令室から出た。勿論隼人と弁慶も一緒に。


そして研究所の屋上に行って。
俺は鉄格子に肘を掛けた。
「………なぁ隼人」
「……何だ」
「平和ってのは、一瞬で打ち砕かれるよな。鬼のせいでさ」
「………そうだな」
「俺は昔は、ヤクザが相手だったけど。今じゃ鬼だ」
「………俺は人間が相手だったな」
隼人はテロリストだろ?俺は借金取りに追われて。なら、弁慶は?
「弁慶、お前は?鬼の前は、何を相手にしてた?」
「俺かぁ?………女」
「はぁ?って、お前らしいな。ってかそれって、ただ単に遊んでただけだろ」
「、ああ、そう言われると……」
お前はいつでも平和そうだな。

「……宿命」
「竜馬?」
「いや、何かそう思っちまうよな」
いつの間にか弁慶のイビキが聞こえた。もう寝てんのかよ!
「……アイツ」
「どんな時でも平和なのが、弁慶だけだろう」
「まあ………」
「………竜馬」
隼人が俺の顔を見た時だ。突然青空だった空が、急に暗くなった。
「起きろ弁慶!」
俺は鉄格子から離れ、弁慶を起こして、慌てて研究所内に戻った。
「ったく、また鬼かよ!」
「文句を言うな。さっき宿命とか言ってただろう?」
「………確かに」
走ってゲッターのある所へ向かう。

本当、平和を味わいてぇよ。









END
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