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□No.30
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キルアとも無事に合流し、夜行列車に乗った5人。
しかしサリイの機嫌は、初めてのやきもちで最悪だった。
いつも笑ってるサリイなだけに、不機嫌になるとわかりやすかった。
レオリオ、クラピカ、キルアだけでなく、鈍感なゴンでさえ気づいていた。
「サリイ、どうしたんだよ?」
「別に。」
レオリオの問いかけにサリイは素っ気なく答えた。
「別に、ってずっと不機嫌じゃねぇか。せっかくキルアに会えたのによ。あんなに会いたがってたーのに。」
「そんなに会いたがってなかったもん!」
サリイはそう言うと、列車の個室から飛び出した。
飛び出したサリイは1人、通路から見える星空を眺めていた。
(せっかく会えたのに〜。何かモヤモヤするしムカつく。コイって難しいね。)
サリイは深いため息をついた。
(こんなことなら、ちゃんとコイについてレクチャーしてもらうべきだったな〜。)
サリイは蜘蛛の仲間のことを思い出しながら、ぼ〜っとしていた。
「ここにいたのか。」
背後から声が聞こえた。
しかしサリイは振り返らず、聞こえないフリをしたまま星空を見上げていた。
振り返らなくても、誰が立っているかわかる。
でも、こんな気持ちのままどう接していいかわからなかった。
「なにむくれてるんだよ。」
背後に立っていたキルアは、サリイに近づき隣に立っていた。