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□No.38
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キルアの少し後ろを歩いていたサリイは、少し遅れてウイングのところへ到着した。
そこにはすでにゴンとズシの姿もあった。
「昨夜はズシが世話になったようだね。3人共ズシのことを気遣ってくれてありがとう。」
「いや、ズシを誘ったのはオレたちだからさ。こっちの責任だよ。」
(あぁ、やっぱりキルアも知ってんだ。ズシを助けたのはキルアってことね。)
サリイはウイングとキルアのやり取りを聞いてそう悟った。
「ゴンくんからも、許可願いが出ています。キルアくん、サリイさん、2人の試合はいつですか?」
「あたしは確か6月14日。」
「6月15日……オレの誕生日!」
ウイングに試合日を聞かれたサリイとキルアは、それぞれの試合日を答えた。
「え〜!キルアもう少しで誕生日なんだ!」
サリイは試合日よりも誕生日という言葉に反応した。
(何かしてあげたいな〜。何がいいかな〜。)
ゴン、キルア、ズシの修行を見学しながら、サリイはずっと考えていた。
そして修行が終わり、その日の帰り道……。
「あいつら、キルアとサリイも脅迫したんだね。」
ゴンは昨日の3人組に怒りを表していた。
「もし、ウイングさんが試合を許してくれなかったらオレたち……。」
「それはないよ。ウイングさんも気づいてた。」