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□No.39
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「それでは、はじめ!」
レフリーが試合を開始させた。
サリイはポケットの中で、自分の武器であるサリイ銃を作った。
本物の銃ではなく、ピンクの銃を作り出していた。
目の前で作らず、ポケットの中で作ることで念の銃だということを隠す為だ。
サリイはポケットからピンクの銃を取り出した。
「くくく、そんなおもちゃの銃でどうするつもりだ?」
ギドはサリイの銃を見て笑っていた。
そして自身の武器であるコマを取り出した。
ゴンのときに使用した舞闘独楽とは違い、強化した複数のコマがサリイをめがけて飛んできた。
サリイは避けることも構えることもせず、真っ直ぐに突っ立っていた。
コマはサリイの体にぶつかるが、全て弾き飛ばされた。
ギドのコマでは、サリイの纒を打ち破ることが出来なかった。
「このガキ……。」
ギドはサリイのことを、完全に見くびっていた。
念を修得して間もない子ども、その為試合もしないと思っていた。
動揺しつつ焦るギドを見たサリイは、ニッコリと笑った。
そして有無言わずギドに銃を向けた。
ギドのコマの軸である義足を狙ったサリイは、狙い通り撃ち抜いた。