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□No.56
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キルアは関節を操作し鎖から抜け出していた。
「条件通りにすればお前たちの団長は、必ず戻って来るんだ!」
クラピカは憎い相手だからって、感情任せに殺しはしない。
それはクラピカと会ったパクノダがわかってる、とゴンは主張した。
「いい加減にしろよ、てめえ。勝手なこと、ごちゃごちゃ吐かしやがって。」
フィンクスは未だに納得いかないようで、ゴンを二度と喋れなようにすると言った。
「フィンクス。」
ピリピリする空気の中、フランクリンがフィンクスの名前を呼んだ。
「もうやめろ。パクノダを行かせてやれ。」
「なっ!おめえまで何言い出すんだよ!?」
フランクリンの意外な言葉に、フィンクスは驚いていた。
フランクリンは蜘蛛にとって最悪なケースを説明した。
それは蜘蛛全員が全滅して組織自体が消えること。
フィンクスたちもパクノダたちも団長に寄りすぎ。
このまま揉め続けたら、蜘蛛が全滅しかねない、頭を冷やせと。
「いいじゃねぇか、好きにさせて。もしも団長が戻って来なかったら、操作されてる奴全員ぶっ殺して蜘蛛再生だ。簡単なこったろ?」
(何か怖いなぁー、フランクリンの笑顔。)
簡単なことだろ、と笑うフランクリンにサリイは恐怖を感じた。
そのときシャルナークの携帯が鳴った。
この状況からして恐らくクラピカだろう。
今回もフィンクスが出ていた。
「もしも……!」
もしもしと言いかけたフィンクスだが、何を言われたのかまたもや携帯を強く握りしめていた。
そして、怒りをぶつけるように携帯をゴンに投げつけた。