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□No.38
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蜘蛛にいた頃、子どもだったサリイは飴玉とかそんな程度のものをあげていた記憶はあった。
(好きな人にプレゼントか〜。全然決まらないなぁ。)
サリイは初めて好きな人にプレゼントする。
何も思いつかず、その日は眠ってしまった。
そして6月14日、サリイ対サダソの試合日になった。
サリイは、試合したら負けたくなくなるから、と言って試合には行かなかった。
そのことをゴン、ウイングにも伝えた。
サリイは自室で特にすることもなく、試合時間が過ぎるのを待っていた。
すると、テレビに何か文字が表示された。
「う……そ!?」
サリイはテレビを見て驚いた。
サダソ選手棄権の為、サリイ選手の不戦勝。
と書かれていた。
サリイは勢いよく部屋を出ると、すぐにキルアを発見した。
「よぉ、不戦勝おめでとう。」
サリイの顔を見てキルアはそう言った。
いつもと変わらないキルアに見えたが、ほんの少しだけ笑顔の裏に黒いものが見えた気がした。
「キルアがしてくれたの?」
「は?何を?」
サダソの棄権で自分の不戦勝は、キルアの仕組んだことだとサリイは直感で感じた。
しかしキルア本人は、全く心当たりないと言った表情をしていた。