□No.38
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「まっ、いいや!サリイ選手、1勝だね!」


サリイは無理に聞き出すことをやめた。
そして笑顔でそう言った。


「明日キルアの誕生日でしょ?何が欲しい?」


考えても考えても思いつかないサリイは、キルア本人に直接聞くことにした。


「何もいらねぇーよ。オレだってサリイに何もあげたことないだろ?」


キルアの答えにサリイは不満そうにしていた。


「あたしはキルアからたくさんもらってるよ!一緒にいたらさ、楽しい気持ちも幸せな気持ちもたくさんもらってるの。だから、あたしも何かあげたい!」


サリイの言葉にキルアの顔が赤くなった。
そして照れたように顔を背けた。


「……じゃあ、これからもオレたちと一緒にいろよ。」
「え!?それってどういう意味?ねぇ、ねぇ、ね


サリイがしつこく聞いていると、キルアは自分がかぶっていたキャップをサリイの頭に深くかぶせた。


「じゃあな!」


いきなりのキルアの行動に、驚いたサリイは黙った。
その隙にキルアは爽やかに去っていった。


「うわぁ〜、嬉しくて死にそう。」


サリイはそう言いながらキャップを抱きしめた。

そして残りの試合、ギド戦、リールベルト戦の日が近づいてきた。
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