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□No.47
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(ここからじゃ、何話してるかはさすがに聞こえないな〜。)
ノブナガは誰かと話してるようだが、何を話してるかは聞き取れなかった。
おそらく相手は蜘蛛の仲間だろう。
サリイが注意して見ていたそのとき、ノブナガが廃墟を見上げた。
ノブナガからは殺気が漂っていた。
(ヤバっ!)
サリイはすぐに尾行中止し、瞬時に立ち去ろうとした。
しかし一歩踏み出してすぐに立ち止まった。
サリイの前には尾行していたマチとノブナガではない、また違う蜘蛛の仲間が立っていた。
「……っ!!」
サリイは驚きと戸惑いで声が出なかった。
「サリイ、久しぶりね。」
「フェ……フェイタン。」
サリイの声は微かに震えていた。
そんなサリイを見たかつての仲間、フェイタンは特に動揺もしてないように見えた。
「こんな形で再会するとは思ってなかたよ。」
フェイタンは驚いているようだが、口元はマスクで隠れてる為、表情は読み取れなかった。
「お前、なぜ私たちを追ってるか?」
(ヤバい。はやく逃げないと。仲間を呼ばれたら逃げることすら出来なくなる。)
サリイはフェイタンの質問に答えず、違うことを考えていた。