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□No.51
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「わかってる。でも、あたしもやるよ!クラピカに協力する!クラピカも蜘蛛も放って置けないもん!」
サリイが真っ直ぐにそう言うと、キルアは小さくため息をついた。
そしてクラピカの協力がないなら諦めろ、ともう一度釘を刺した。
サリイはクラピカが戻ってくるまで、仮眠をとることにした。
昨日はディロード公園でクラピカを待っていた為、一睡もしていなかった。
「じゃあ、1時間くらい寝てくるね。」
サリイはゴンとキルアにそう言うと、ホテルの自分の部屋へ戻った。
そしてベッドに寝転び目を閉じると、すぐに眠りについた。
何回か見たことあるあの夢。
またあたしは足が動かない。
大好きなキルアは振り返らず、そのままどんどん先へ歩いて行く。
やっぱり声は出ずに、キルアを呼び止めることは出来なかった。
「……っ。」
サリイは目が覚め、時計を見ると眠ってから1時間ちょっと。
今回はあの夢に恐怖を抱いていなかった。
(そういうことだったんだ。この夢の意味は……。)
サリイは何回も見たこの夢の示すことをやっと理解した。
そして冷静に受け止めた。
(大丈夫。あたしは大丈夫。どんなことも受け入れられる。)
サリイは自然とそう思えた。
そしてゴンとキルアのいるだろう、ロビーへと向かった。