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□No.52
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「ゴン!はやくいい考え、教えなさい〜っ!蜘蛛が這い出て来たよ〜!!」
サリイはゴンの服を引っ張りながら、ゴンの体を揺すった。
「え〜っとね、あっ!蜘蛛が!」
「え!?」
ゴンの言葉でサリイが駅の入口付近に目をやると、蜘蛛の姿はなかった。
いきなり走り出したようだ。
蜘蛛は既に、駅の少し離れたところまで走っていた。
「どうする!?って、ちょっと!」
「クラピカ!!」
助席に座っていたはずのクラピカが、車から飛び出していた。
呼び止めるサリイとゴンの声に振り向いたが、そのまま蜘蛛を追って走って行った。
「私が連絡するまでここで待っていろ!」
ゴン、サリイ、レオリオにそう言い残し、クラピカは自分1人だけ追って行ったのだ。
「もう〜、クラピカは全然わかってない!個人でも強いのに、6人相手に走って追いかけるとか!」
サリイはそう言いながらも、体は車から飛び出してクラピカを追っていた。
「あいつは蜘蛛のことになると、見境なくなるからなー……ってサリイ!ゴン!」
車から飛び出したゴンとサリイに気づいたレオリオは、運転席から呼び止めたが2人とも振り返らなかった。
ゴンもサリイとほぼ同時に飛び出したようで、サリイの隣を走っていた。