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□No.53
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「ったく!間抜けな手下を持ったばっかりに、オレのお先真っ暗だぜ!」
(真っ暗……?)
レオリオは真っ暗というワードを強調するように怒鳴った。
サリイがそのことに気づくと、レオリオは更に話し続けていた。
「いいか?目を瞑るのは今回だけだ。よく聞けよ!7時きっかりだ!7時きっかりにホテルに来い!1秒でも遅れたらクビ!速攻クビだー!!!」
レオリオはそこまで怒鳴り終えると電話を切った。
そしてまた新聞を読み始め、顔が隠れた。
「真っ暗」
「目を瞑る」
「7時きっかり」
(そういうことか。な〜るほど。)
サリイはレオリオの電話の本当の意味を理解し、思わず笑顔になってしまった。
(さすがクラピカ。……闇に乗じればあたしたちにも勝ち目はある!)
恐らく7時ちょうどに停電か何かを起こし、ホテルを暗闇にする。
その隙に脱出、それがレオリオからのメッセージだとサリイは考えた。
ゴンとキルアも気づいているようだ。
そしてレオリオはソファから動かず、テーブルの上に置いてあるラジカセのスイッチを入れた。
ラジオが流れ、この緊迫とした空気に似合わない音楽が聞こえてきた。
(不意の停電、これならやれる!出来ればフィンクスたちが来る前に……)
サリイはそう思いながら時計を見上げた。
時刻は18時55分、あと5分。
サリイは時間がはやく過ぎることだけを祈っていた。
音楽流れて少しすると、ホテルの入口の自動ドアが開いた。
ホテルに3人の男女が入って来た。