□No.55
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(どっちもキレてる。って……あれ!?)


サリイが焦っていると、構えていたはずのノブナガが倒れた。
倒れたノブナガの背後には、シズクが立っていた。


(シズクが持ってるのって掃除機?……念、だよね。)


シズクはノブナガを攻撃した武器と思われる掃除機を持っていた。
普通の掃除機ではなく、顔がついていた。


「お前、ノブナガ派じゃなかったのか。油断させて後ろからかよ。」


団員同士のマジギレ禁止、と言いながら冷静なシズク。
そのシズクの行動に、フィンクスは少し驚いていた。

心情的にはノブナガ派だが、蜘蛛の掟は絶対とシズクは語った。


「掟への否定は蜘蛛の否定。それは団長をも否定する。それだけはしたくないから。」


シズクがそう言うと、次はシャルナークの携帯が鳴った。
相手は団長の携帯からのようだ。

先ほど使っていたフィンクスの携帯はパクノダが持って行った為、次はシャルナークの携帯にかかってきたようだ。


「オレが出よう。」


フィンクスはそう言い、シャルナークから携帯を受け取った。


(マチとシズクとコルトピは、きっとわかってくれそう。……仲間を思う気持ちがあるなら、こんな無差別な殺しはやめてくれるかも。)


フィンクスが携帯で話してる間、サリイはそんなことを考えていた。
するとフィンクスがこちらへ向かって来た。


「ほらよ、ママからだぜ。」


そう言うとキルアの耳に携帯をぐいぐいと押し付けた。
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