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□No.56
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「もしもし、クラピカ。……うん、全員いるよ。……うん。」
ゴンはクラピカにそう言うと、携帯をフィンクスに投げ返した。
フィンクスと同じように思いっきり投げつけていた。
「そっちの条件通り、これから人質3人とパクノダを向かわせる。」
(フィンクス……。)
フィンクスはクラピカにそう告げた。
人質交換に応じることにしたのだ。
それを聞くとキルアはサリイを捕らえていた鎖を外した。
そしてパクノダに連れられ、ゴン、キルア、サリイの3人はアジトから出発した。
雨はあがり、地面には水溜りが出来ていた。
「あんたたち。」
しばらく歩いているとパクノダが口を開いた。
「なぜ逃げないの?あいつの仲間なんでしょ?」
パクノダの問いかけを聞き、3人は歩く足を止めた。
そして、後ろを歩いていたパクノダを見るように振り返った。
「あんたたちが逃げればこっちの切り札はなくなって、鎖野郎は望み通り団長を殺せる。なぜそうしようとしないの?」
「それは……
「仲間だからだよ!」
キルアの声をかき消すようにして、ゴンがものすごい勢いで答えた。
「仲間だから本当はクラピカに人殺しなんかして欲しくない。」
「だから交換で済むなら、それが1番いいんだ。」
ゴンとキルアはそう答えると、再び歩き出した。
サリイはパクノダをまっすぐと見て、立ち止まったままだった。