SS

□夢
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白いシーツに、艶やかな足の指先で波を作る。
指先で、そして舌で触れるたびに身体を震わせながら形を変えていく波。


コレハユメダ・・・

アルコールに溺れた故に見る淫らな夢。


仲間である彼女にこんなことをするなんて、現実ではあり得ない。

大切な仲間を傷つけることなど、出来はしない。


だから、これはユメ・・・



俺自身の気付かない内にもっている願望なのか
目の前の月明かりに照らされ、白く浮かぶような肌にそっと触れる。

妙にリアルなその感触は、脳を溶かすほどに熱く、そして官能的。

アクアブルーの髪を乱れさせながら、よがる彼女の名前を呼び、首筋に顔をうずめた。

滑らかな首筋に強く吸い付くと、彼女は息を呑み、さらに身体を強張らせる。

イヤイヤと首を横に振り続けていた彼女はいつの間にか俺の背中に廻された華奢な腕に力を込めると
応えるようにさらに全身を振るわせる。

こんなにも華奢だったのかと驚くほど細く、小さな肩幅。

そして、まるで彫刻のように美しい曲線を描くウエストラインを指でなぞり、その下、そして最奥へと
指を滑り込ませると、小さな悲鳴を上げ、絶え絶えになった声で俺の名を呼ぶ。


溢れる蜜とは裏腹に、カラカラに乾ききった喉から発する声は、掠れながらも少し高く

普段聞くことの無い、彼女の声により欲望が大きく膨らむ。


耐えられない波が再び遅い、逃げる彼女を追い詰めるように更に責め立てると

彼女は再び小さな悲鳴をあげ、俺は耐えれず呻き声が口から漏れる。



2人で大きな波に飲み込まれた後、徐々に視界が狭まり真っ白な世界へと堕ちていく。



世が開け、カーテンすら閉めていなかった部屋に朝日が入り込む。

その眩しさで目を覚ますと、まだ涼しい季節にも関わらず、汗ばんだ体と身体に残る倦怠感。

夢を見るだけでと自嘲し、ベッドの済みへと追いやられた布団を意味も無く、抱きしめた。


「んっ?」

布団だけとは違う感触と重みに首を傾げると、バサリと布団をめくる。

「ウッ・・・ソだろ・・・」


抱きしめた布団の束に包まれ、ぐったりと眠るジュビアの姿。

一糸纏わぬ姿で眠るジュビアの至る箇所に赤く付けられた印。


あの夢は現実だったのか・・・

妙に感触や温もりがリアルな気がしながらも、夢と疑わず
欲望のままに彼女を抱き、追い詰めた。


既に二日酔いが始まっている頭をフルに回転させ、どうするべきか考えるが

頭は廻らず、再び襲ってきた睡魔と共にすぐ傍で眠るジュビアを
布団ごと抱き寄せて眠りに落ちた。



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