差し伸べられた手は。


□初対面
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エド「アルゥ〜!!何処だよ。その、ブラット・レイ大総統の知り合いって!こんな中探せって!?」

アル「まぁまぁ、兄さん。なんとかなるって。探そう?」


―――今、エドことエドワード・エルリックは、駅に来ていた。


大総統からの直々の命で、ある人物のお迎えをせよと。


ところが、年齢、顔立ちどころか性別も聞いていない。


大総統いわく、
向こうが見つけてくれる

らしい。


しかしいっこうに見つからない。


そこで切れだしたエドを、アルことアルフォンス・エルリックが宥めている。


そんな場面だ。



そして。





それを遠巻きに見ている私。



近付くことをしないのは、あの二人が見付けられるか試してみた的な。


しかし、ラースから何も聞いていないらしい。




流石に可哀想だと、自ら近づいて行った。



『……こんにちは。』



私は無表情のまま、エドの背後に立った。



エド「うおぉぉお!?」


アル「うわっ!」




―――――相当ビックリした。




アル「……ビッ、クリしたぁ〜。!!もしかして、貴女が…?」


『……はぁ。そうですが。貴女はアルフォンス・エルリックですか?』



アニメで知っているので確認する必要はないが、何しろ彼方さんは初対面だ。

確認しないと怪しまれる。


―――まぁ、怪しむことは無いだろうが。


用心するに越したことはない。


エド「……………。」




――――…………?



あり?

沈黙。



私、何か不自然な事言ったっけ?







すると、エドが口を開いた。


エド「……お前、俺がエドワード・エルリックだって良く分かったな……。」



あ。

なるほど。



そういえば、よく(っていうかほとんど)間違われてたね。



やばい。


スッゴいエド、嬉しそう。


エド「ほら見たか?!アル!!やっぱりお前の方が高くても兄の威厳は隠せないんだよ!!ハハハハ!」


………エド、言ってることが悲しいよ?

アル「はいはい兄さん良かったねー。」

そう言ってアルは、棒読みでエドを落ち着かせた。


うん、兄弟って素晴らしいね。




アル「………っと、真宵さんでしたよね?取り敢えず、大総統室に来て下さいと言われているんですけど…」


(……ラースか。)
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