御本(短編)*銀ちゃん*
□It's not fair.but…
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『ねぇ、銀八センセ♪』
無邪気に話しかけてくるコイツはこのクラスの女子生徒。
なかでもとびきりカワイイ俺の生徒。
ほんとにカワイイ俺の・・・
あー・・やっぱヤメタ
「どしたー美甘(ミカモ)」
『先生は自習しないの?』
「は?」
今日は大人の都合で朝から自習をぶっこんだ。
梅雨入りして早速、3日連続でダルイ雨が降ったらもうどうでもよくなったとか・・・
300円あげるから秘密な?
さすがに1限目からのこのこ職員室戻っちまうのはマズイっつーかタルイっつーことで
このままここでコイツらと自習だ
「美甘(ミカモ)ー、お前の目は節穴ですかー?ホラ、見なさい。この分厚い本をー。ちゃんとしてるでしょーが。俺は今、男の子の勇気と友情と根性を猛勉強中だってばよ!」
『うん、ジャンプじゃん!あーあ、雨ってつまらないねー』
今日はポニーテールなんて
こいつにゃめずらしい髪型が美甘(ミカモ)の雨嫌いの度合いを現している
俺と一緒でこいつも天パ気味らしいからそれが原因だな
美甘(ミカモ)の背中が俺の背中と合わさった
今日はこいつもかなり気が緩んでるな
背中の重みは好きにさせて
すぐ横の窓ガラスで背後の美甘(ミカモ)をチラ見する
整った横顔だなー。オイ。
ポニテのおかげで輪郭がよくわかる
いや、さすがにこれ以上ガン見はできねーよ?
一応、ここでは先生と生徒なわけだし・・・アレだよ。
イロイロやばくなるだろが!
「なぁ?沖田ー」
「へいへい。全部声に出てるけどねィ。睡眠の邪魔なんでのろけならどっか声の聞こえない教室外でやってくだせー。300円あげるから」
『銀ちゃん//』
「移動・・すっか」