御本(短編)*銀ちゃん*

□くれりゃいい
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「千和(センナ)ちゃん俺の味噌汁まだ?」

『え!?ウソ!私まだ出してなかったっけ?』



振り返ってテーブルを見てみると・・本当だ・・・出してないや



「ちゃんと作ってあるのは見てたよ?俺。イジメですか?」

『ごめんね?今温めて出すから!』




キッチンでお味噌汁を温めなおす。


今日は神楽ちゃんも新八君もいない。2人だけ。

とゆうのも、今回の仕事が大人の事情であの2人にはやらせられないお仕事だったから。


ちょっと暗い依頼だってたまには来る。

そんな時は銀ちゃんとあたしが引き受ける。大人として。


別に滅入らない。だって銀ちゃんが一緒だから。


『銀ちゃん。お味噌汁温まったよーどうぞ♪』
「サンキュなぁ。千和(センナ)ももう座って食えば?」
『じゃぁ・・うん・・いただきます!』



でも今回の依頼は大変だった。

イワユル男女のもつれだけど濃かった


「女が孕んだ、間男が孕ませた!俺の子じゃない!」
それを真っ向から否定して戦う女。

『あなたの子よ!』「俺の子じゃない!」の押し問答。
ケンカは顔を合わして話せなくなるまで悪化。


見兼ねた女の両親が娘の潔白を証明して仲裁に入って欲しいと依頼してきたのだ。


結局、間男がいたのは事実で女の両親が赤っ恥。
でもそれをまた大金で揉消してと依頼されて。

乗りかけた船だったから断れず、依頼を遂行。
調べたらお腹の子は間男と関係した時期とは合わないとゆうことで、そっちの潔白は何とか証明できてなんと和解!


『ねぇ銀ちゃん・・・』
「ん?」


遅くなった夕飯を向かいあって食べながら私は銀ちゃんに話しかけてみる


『世の中色んなカップルがいるね。不思議だね。』
「そうだなぁ。・・・俺と千和(センナ)もそんな世の中の色んなカップルのひとつだけどな。」
『ひとつかぁ・・ふたりでひとつ?』


それって嬉しい!

銀ちゃんの口元についた米粒を取ってあげる。


「当たり前でしょーが。俺と千和(センナ)はふたりでひとつ。一心同体。離れたら銀さん全力で許しませーん。」


手首を掴まれて、取った米粒を私の指からぺろっと回収していった銀ちゃん。


『・・・私も離れたら絶対許さない//』
「ふーん♪どう許さないのか、そりゃ望むところだな?」


銀ちゃんがニタッとS顔をしてる。それズルイ・・・ッ


『・・・銀ちゃんが私から離れたら孕んでやるぅぅぅ!!』
「うわっ・・マジでか?!」


あ。ちょっと困ってる。どうだ!参ったか!!


「・・・・でもよ、マジでそうなってくれたらいいのにな。」


え?


『ちょ、ちょっと銀ちゃん?それ・・・どういう意味?』


さっきまで一心同体、離れたらダメって言ってたのに・・・


「だからよ・・・」


どうしよ。聞くのが怖い。


「千和(センナ)も・・・孕んでくれりゃいいのにな。」


?今、何て言ったの?くれりゃいい?何を?


『ゴメン、銀ちゃん。ちょっとよくわかんない、今。・・あれ?』

「だーかーら!千和(センナ)もそろそろ孕んでくれりゃいいのになっ!っつったんだよ!(照)」



それはつまり・・・


『それって・・・銀ちゃんがそろそろ俺の子を欲しい。・・・私が銀ちゃんに私と銀ちゃんの子をくれりゃいいって思ってるってこと?!』

「どうしてそうややこしくなったの?千和(センナ)ちゃんυんな回りくどかった?俺の話」

『うん!』

「あーそー。悪かったな。んじゃ言い直すわ。」


銀ちゃんがお箸を置いて私を見た。

見つめ合ってドキドキする



「・・・毎日お味噌汁作ってくれてんだから、早く千和(センナ)が俺と結婚してくれりゃいいっつったんデス!!」

『ハイ!あのね、銀ちゃん。』


テーブルに並んでるお味噌汁を溢さないようにのり出して銀ちゃんに腕を伸ばす




『・・・早く私に銀ちゃんをくれればいいよ・・・ッ』

「もうほとんどあげてるでしょーが」



照れ隠しでふわっと私のおでこにあててくる銀ちゃんの髪がくすぐったかった。











お互い様で・・・



くれりゃいい♪




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