御本(短編)*総ちゃん*

□「喰ラッチマイナァ。」⇒《SRSS!》
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「俺、先輩のこと大好きですぜ。」

『え・・・総悟?』






もうすぐ大会。

剣道部。3年生。

つまり引退。つまり必死。



ひとり残って精を出してた部活終わり、さっきまで張ってた気が上手く抜けないまま部室に帰ってきて、私は籠手やら面やらを片付けていた。


そこに後ろから急にかかった声。


気張っててよかった。


でなきゃ、伝説に残るようなトンデモリアクションをして私の青春に汚点を残してしまうとこだった。

そんなのはNOサンキュー。

だってこのまま立派な部長として格好良く有終の美を飾って去りたい。

だから必死。

だから本当にヨカッタ。


・・・・イヤ良くないよッ!!





『それってどうゆう・・・・』

「あ、どーぞ構わず着替えて下せェ。見てるけど見てないって言い張りやすから。」

『できるわけないでしょ。(呆)・・・・それってどういう意味なの?』




着替えらんないからとりあえず、この伸ばしかけの厄介な髪をポニテからダウンに戻して整えつつ、やり取りすることにした。


鏡を出す。私の背後。


そこに映ったお相手は、今、部室の入り口に凭れて生意気にチューインガムを噛んでる後輩くん。

ソレハモウ、鏡で反転したって容姿端麗な

生まれつき勝ち組の卑怯な少年、沖田総悟くん。2年生。


あの髪色によく似た女の子を私は大事にしてる。

彼のお姉さんのミツバちゃんは、私の親友。


さてと、どうしましょうかね?

本当に、どういう意味なのかよく聴いとかなくちゃ。

コームを前髪に通す。





「そのまんまですけど。俺は季紅(キコ)先輩が大好きなんでさァ。先輩は、姉ちゃんとタイプは違いやすが、ずっとウマが合うみてぇで仲良くやって貰ってやすし、姉ちゃんがしょっちゅう具合崩しても世話してくれてるし・・・・ありがとうございやす。」

『?うん、てゆうか・・・・そんなのは大丈夫っていうか、いいのにっていうか。それはもう今更、ミツちゃんとは中学からやってきてるんだし、お世話なんてお互い様だよ?私だってミツちゃんにかけまくり。』




この化粧ポーチだって、私が部活のことで落ち込んでる時にミツちゃんがプレゼントしてくれたもの。

親友だから、私の好みにブレない、くれた瞬間お気に入り昇格のプレゼントを届けてくれた。





「まぁ、そうかもしれやせんが。けど、この頃はクソ土方のせいで余計姉ちゃんが先輩に世話やかせてるみたいですからねィ。・・・・土方のヤローも先輩のいうことは素直に聞くらしいですし、マジで助かりまさァ。」





そうなのだ。

2人とは、同じクラスだし。

ミツちゃんからは最近、土方くんの相談をされる。「煙草止めて欲しいのに…」とかね。

だけど私、土方くんからも相談されちゃいます←勿論、ミツちゃんとのことね?彼は毎日誰かしらに嫉妬してます。(笑)




『土方くんが私の話を聴くって・・・私ただ、“ノロケなら他所でやって”って言って払ってるっていうか、いつまでも続きそうな話をおしまいにしてるだけよ?』

「そんでもいいんでさぁ。姉ちゃんが穏便に生活してんのは季紅(キコ)先輩のおかげです。これは絶対ェ。」





なんだか今日の総悟は、やたらと私を推してくるな(汗)


どうしたんだろ?


部活中も沖田家に行ったときもそれなりに総悟とは話すけど

こんなのは始めてかもしれない。


弱ったな(汗)苦手な雰囲気だ。


今、私の背中に一筋微かに流れたのは・・・・

これは、部活の所為かな?


それともさ・・・・






「それから、先輩は剣道の腕も凄げぇ・・・・」





後輩のクセに先輩を軟禁しておいて


まだ、続きそうなお話。








だったらそのガムを私にも分けて。


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