御本(短編)*総ちゃん*

□オオカミの手はシザーハンズ
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『…ッ…タタァ。もゥ〜…腰痛いよ、総悟。』


私がダウンしてる間に


「何ででさァ。揉んでやりやしょうか?」


自分だけちゃっかりシャワー浴びちゃってた総悟にそりゃ文句も垂れます。

だって…今日のお仕置きホントにキツかったもん!!


『…バカ。あ!ねぇ総悟!ドライヤー貸して?』


深夜テレビに夢中の総悟。

多分さっきまで濡れてたはずのその髪は…既にサラサラ復活してるし。

これ以上文句言い返すなんてとんでもないからせめて目だけでも文句つけてみたり。

あ!振り返って貰えた!!

無造作にピョンと所々毛先が落ち着かない髪。

ん……乾かしっぱって…イイかも(照)


「…イヤでさァ。」

『え!?なんで!?』


拒否られて、しかもちょっとジト目が突き刺さるよ…


「お前、ドライヤー壊すだろィ」

『へ?……それは前のが古かったからじゃん!!あれは私のせいじゃないよ!寿命!』


まだ根に持ってるの?でも、そのおかげで今のイイヤツ買えたんじゃないの?もゥ!!


『じゃあいいよ…。このまま風邪ひいてやる。……風邪ひいてやるゥ〜!!』


駄々こねちゃうんだから!!この枕だって、この髪の水分全部うつしてビショビショにしてやる!!


「……ハァ。やめな。枕濡らすんじゃねぇや。カビ生えるだろィ。」

『そこ!?ヒドッ!!総悟のバカァー!うわーん!』


……ってアレ?私もしかしてまだ酔いさめてないのかな?コレ(苦笑)

だってね?…幻覚でしょ?コレ?

何かオカシイの。


『そ、総…悟?』


ベッドにうつ伏せでダイブして、枕に埋めてた自分の頭に急に違和感。

髪の末端が…まるで引っ張られてる感覚。

だから顔を恐る恐る横に向けて見たら……

まだそこでこのベッドに背中預けてテレビ見てる総悟の

出来すぎた横顔があるのに…


「…何でィ」

『か…髪、引っ張らないで…?』



ワザワザその後ろ手を寄越して

長い指で私の濡れた毛先を弄んでた。


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