御本(短編)*土方さん*

□ポニ方さんがやってきた
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ある日の屯所

「な…なんじゃこりゃああああーーーっ?!」

『びくぅっっ!! え!?』



今の声は…土方さん?!
なんか洗面所から聞こえたような



『ど、どうしました!? 土方さんっ!』

「なっなんでもねぇ!いいから来んな!」



やっぱり洗面所から聞こえてくる
どうしたのだろう‥
来るなと言われても、さっきの声はちょっと尋常じゃ…

ダメだ!気になります!

思い切って私は洗面所に行ってみることにした



『やっぱりちょっと様子を…ってあれ?』



洗面所に着いて中を覗いて見る‥が



『土方さん?…居ない。ここじゃなかったのかな?‥お部屋?』



洗面所はもぬけの殻。
ならばあと考えられるのは…

私はそのまま土方さんの部屋にも行ってみることにした

部屋の近くに来るとちょっとだけ部屋の襖が開いていた



『…! (物音がする。居るみたいね。)…あの、土方さん?‥さっきの』



土方さんの部屋の開きかけの襖をそろっと開けてみたら



「あ?」

『…え?』





…あれ?う…そ


『だ…れさん?』

「!…オイ」



長い髪‥黒の‥若い‥い…イケメン‥‥イケ‥



『イケ方さんっ?! 』 が居た (!!!)

「あ?誰だよそりゃ…ハァ〜・・ちょっと待ってろ。」



イケ‥土方さんはため息をついてそう言うと
何やら書類の束から結束用の紐を抜き取った


「こんじゃぁ足りねぇか?」とか呟きながら
一旦その紐を…紐を…

口に銜えたぁ・・!



『…(すごく色っぽい)』


見てるだけで赤面させられる



そして



「めんどくせぇ‥。ぜってぇ今日中に切りに行く。」



また呟いて髪を掻き上げて
あっという間に後ろで一本にまとめて持った。

『((((( ;゚д゚))))アワワ‥うなじがっ!』



鏡もないのに、何だか慣れた手付きだ。
それとも器用なのか?

男の人って手が大きいし、何だか土方さんの手なら何でも器用にできちゃいそうだけど…



「なんとかギリギリ止まったか‥ったく…オイ。安寿、何やってんだ?」



何故か私はいつの間にか襖に身だけ隠して
覗き魔的な体制でそこにいた

『だ、だってなんか‥いや‥厭らしいです。アナタ』

「何がだ」



髪を結い終わったイケ土方さんが近寄ってきた

(((( ;゚д゚))))アワワワワ



『ここここ来ないでくださいぃぃ〜!!』



しがみついていた襖から離れて後退りする

だってだって…っ!



「?‥おい、」

『ななんで…なんで、何か若い‥んですか?』


いつもより何かフェロモンがっ・・

キラキラしちゃってる感じなんですもん!


顔つきがちょっと違うよ〜っ!



『こ、声だってちょっとだけ少年ぽいしっ!困ります!』

「知るかよ。‥多分、昨夜の酒に総悟のヤローが何か仕込んでやがったんだろ」



あー…なるほど
でもでもっ…



『スイマセン‥今日わたし、土方さんの補佐できないです。何かイロイロ‥当てられました//取り敢えず‥寝間着から着替えて下さいね?では。』

「あ。オイ、安寿っ!待て……チッ。」



あいつの刀で間合いを図られて、後退ったまま走り去られてしまった



「取り敢えず‥着替えるか」




またひとつため息をついた


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