捧げます

□フォロ方さんのサプライズ♪
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ここは大江戸の小料理屋“燻らせ屋”だ。

真選組が最近贔屓にしてる…否、されてる店だ。

つっても、俺を筆頭に総悟と、山崎は俺の使いだからな必然で贔屓にしたり…まぁされてるわけだ。

あ?近藤さんか?あの人は別に贔屓の店があんだよ。

馬鹿やろ…。すまいるじゃなくてなぁ…オラ、そこの格子窓から覗きゃ見えんだろ。

この店の向かいにあるハイカラな青い外観のバーの“コトノハ”。

…あれが、近藤さんの最近贔屓にしてる…否、近藤さんもあの店じゃ相当良くしてもらってるらしいからな“贔屓にされてる”店だ。

どうもあそこの“ママ”(ここの女将曰くな)っつーのが、相当近藤さんの気っ風…つーか“バカ”も含めて好いちまってるらしい。

否、ありがてぇんだけどな?恋は盲目らしいからな…。おっかねぇ時あんだよ。

こないだは……。いや、この話は今はやめとくか。


『ハイ、土方はんのマヨネーズ♪ねぇ、土方はん、知ってます?こないだ、コトノハのママったら勲さんの脱糞をゴム手なら受けられるかも〜なんて、お店でぽろっと呟いたそうなんよ?びっくりやない?』

「……女将、悪ィが今俺はここの美味い飯を食ってる真っ最中なんだよ」

『アラヤダ(苦笑)怒らないで下さいな?土方はん来てくれるとウチ、なんか浮かれちゃって…つい共通のお話したくなりますの。それに…だって土方はんのそのマヨスペシャル、ウチも土方はん好きやし…美味しいって言いながら食べきれる自信ありますから♪』


化粧のせいで今日は猫目を際立たせてるが…クスクスと良く笑って喋る口元にはガキみてぇな八重歯が時折チラついた。


「……女将、悪ィが今日は急いでっから一緒してやれねぇがその内な。」

『わかってます(笑)ほんで、頼まれてたモノ……ここに、置いときますね?』

「オウ。ありがとな。」


それと、マジでガキみてぇな小ささのカラダがチマチマと、小股で愛想よくして部屋の端に向かう。


『後で…夜になりますけど、お店終わったら私も駆けつけます。ソレ……独り占めしないでママにも上げるよう彼に言っといて下さいね?』

「フーッ……そうだな(笑)」


女将が部屋の端から取って俺の前に寄越してくれた灰皿に灰を落として

窓の外…“コトノハ”を一瞥してからまた燻った。

“燻らせ屋”は、今時珍しい…俺みたいな“燻らせ屋”を歓迎する店だからな。

癒される。

けど…今日本当に癒されるべきは俺じゃねえし、舞台も…こっちじゃねぇ。

あっちだ。


「そろそろ行かねぇとか…。女将、後でな」

『ハイ…ママと彼によろしくね?♪』


女将が用意してくれた紙袋をもって燻らせ屋を後にした。

すぐ目の前の道を渡って…今日の宴の舞台の青い門をくぐった。

“長いモンには巻かれろ”だ。

女将とママは察しの通り、親しいらしい。

女将がママから預かったつーこの店“コトノハ”の…また女将の話によりゃ、ママが近藤さんの為に地下に作っちまったっつー宴会場の合鍵で俺はその中に入った。


「もう時期アイツらも来んだろ」


…まだ日暮れ前だ。つーわけで、夜までここで暫く仕込みだな。


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