Knife*
□せっけんの恋 昌×剛
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昌君は僕に小さな箱を差し出した。
僕は、びっくりして昌君方をみた。そしてそれを受け取る。
『開けてごらん♪長野君と一緒に選んだんだよね。』
「え?僕のために?」
昌君は頷いて白い歯を見せて微笑む。
僕は嬉しくてその小さな箱を眺める。
箱には真っ赤な包装紙と黄色のリボン。
中身が気になるけど、開けるのがもったない・・・
そんな感じがした。
僕は、家に帰ってから開けようと自分のバッグに
仕舞おうとした。
『今、開けないの?』
昌君はあれれ?とちょっとびっくりした声で
僕にそういう。僕はうーーんと迷ってしまった。
「いやぁ家に帰ってからの楽しみにしようかなって・・・」
『そっか、それでもいいけどさ、
気に入ってくれるか気になるなぁ〜〜(笑)』
昌君はそう僕に言いながらビールを飲む。
僕は、そう言われてもう一度箱を取り出して、
ゆっくりリボンをほどく。
ビリビリとセロテープをはがす。
中身は、ハートの形の石鹸だった。
しかも、綺麗なルビー色。
ラメが中にちりばめられていて透明に透き通ってる。
飴玉のような、宝石のような石鹸で
匂いも甘い苺のいい匂い。
「きれいだね、宝石みたい。」
『そうでしょ?(笑)香りもすごく甘くてさ、
これ剛に買ってあげたいなぁって思ってたんだ。』
「そうなの?嬉しいっ!ありがとう!」
僕はそんな昌君のセリフに浮かれて、
勝手に笑顔があふれていた。
『そんなに喜んでくれるの?そりゃ買ってよかった〜。』
昌君もそんな僕を見て嬉しそうにしてくれた。