Knife*
□せっけんの恋 昌×剛
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しばらく食事をしていると、11時になっていて、
結構いい時間になった。
そろそろ、
昌君ともお別れの時間になりそうと感じていた。
昌君もチラチラ腕時計を見ながら、僕と会話をしているし
そんな昌君を見ながら会話をしてても
申し訳ない気持ちが強くなって、うまく話せなくなってしまった。
「もう、昌君、帰る?」
『・・・んっ・・・そうだなぁ。』
「そうかぁ、明日も仕事?」
『んーまぁ明日は夕方から仕事かな。』
そっか夕方からか・・・。
まだまだ一緒に居られるのに・・・
一緒に居たい、そう。
その言葉が喉に詰まって言えずにいた。
昌君は席を立ちあがって財布を取り出した。
僕は結局その言葉を言えないで
店を出ることにした。
というか、言おうともしなかった・・・できなかった。
「今日は食事に誘ってくれてありがとう・・・。」
『ん?あ、あぁ全然いいよ!すごく楽しかった。
また、誘うから、その時もまた一緒に食べような?』
「・・・うん。」
昌君はタクシーを止めた。
そして僕にそのタクシーをすすめる。
『ほら、剛、タクシーに乗って帰りな?』