Knife*

□嘘だとしても 剛×昌
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「もっと声出せよ、ほらっ・・・もっともっと。」



ヤバい、イッちゃう・・・。

目の前がぼやけて何にも聞こえなくなっていく。
とろけるような感覚になっていく。
もっと激しく、今すぐ。はやくもっと。


『んぐっ、あっぅ・・・はぁはぁ・・・』

「剛、まだいくなって、ほら目を覚ませよ。」

『ダメだよっあっあっ・・・』


俺は乗っかってくる昌君の両腕をしっかり握って
涙目で恥ずかしいくらい喘いで、イかないように我慢していた。
でも、目の前はふわふわとぼやけていって
握ってる自分の腕に力が入らなくなっていくことも
分からないまま、脱力感が俺を襲ってくる。

でも、寸前になると、昌君は動きを意地悪そうに止める。
そして、正気に戻ると、
もっとさっきより、もっともっと激しく動いてくる。

俺が泣いたって、苦しそうに鳴いたって、ニヒルな笑みを浮かべて
自分の快楽を求めている。でも、そんなワガママな動きに
俺はひどく感じて、強く感じて、もっともっとと昌君を求めている。

終わった後も、昌君は俺に優しくしてくれる。
疲れて動けない俺に変わって、ティッシュでキレイに拭き取ってくれるし
ブランケットだってかけてくれる。

それに涙が俺の顔についていたら、優しく指で拭ってくれるし
火照った顔で昌君のことを見つめたらそっとキスして頭まで撫でてくれる。


昌君は俺のお世話をした後に、ようやくシャワーを浴びに行く。
俺はすぐに眠たくなっちゃうから朝に浴びることにしている。
俺の寝ているベッドから、シャワールームまではそんなに遠くないから
シャワーの音が微かに聞こえる。

だから、シャワーの音が止んで脱衣所で着替えている音、
ドライヤーで髪を乾かす音、
歯磨きをする音、そして脱衣所から出るドアの閉まる音・・・

そして、また俺の元へ戻ってくれる足音も全部俺は聞こえる。



「・・・剛?・・・もう寝ちゃったかな?」



俺が目を閉じていると、そう小さな声で囁く。
いつもそう。そしてずっとこっちを見ているのがわかる。
しばらくすると、
もう一度俺の頭を撫でてくれる。
そこで目を開けると、昌君はいつも起こしちゃった?
って笑顔で俺を見つめてくれる。



『一緒に寝ようよ。昌君。』
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