Knife*

□青い浴槽の箱 昌×井
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ドンッ!

僕は思いきり突き飛ばされた。

「怖いよ・・・。」

僕は坂本君を見つめてそう言う。
とある仕事で来ていたビルの人通りの少ない通路で
僕は坂本君に睨まらていた。



長野君と仕事中にずっと話していたからだというのは分かってた。
でも、そうしないと仕事にならないことも分かってる。
どうしようもなかったと言い訳しても
坂本君がいい気分にならないことも分かっていた。



『博の方がいいのか?』

凄い近い距離で坂本君は僕にそう問いかける。
僕は、首を必死に振っている。



『許さない、今日は絶対に帰さない・・・。』


坂本君は僕の手を引いてビルを出ていく。
車に乗せられて、坂本君の家へ向かう。
車中は静まっていて、今日はラジオも音楽もかけていない。

どう話しかけていいかも分からないし、
ただ、じっとしていることしかできなかった。
家に着いたら、坂本君は僕を顎で使うようになった。



『水!』『リモコン!』『酒!』『つまみ!』


単語を吐き捨てられて僕は必死に動き回る。
坂本君はずっとソファーに座ってて僕の行動をじろじろ見ている。
しかも顔はやっぱり怒ってて、ツンツンしている。


「な、なんか買ってこようか?」

『いらねーよ!』

「・・・うん、ごめん。」
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