Knife*
□ねえぇいっそ 准×健
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「どうしてそんなに泣いているの?」
トイレの個室。
鳴き声が聞こえる、
俺はその個室の扉の前に突っ立ったまま。
何もしてあげることができない。
『准一には・・・僕のこと何にもわかんないでしょッ!
言ったところで何にも、変わらないんだからさ・・・
アッチに行けよ!邪魔ッ!!!!』
俺は動かないで扉の前で待ってた。
健が出てくるのを。
健はワンワン泣いていて、
僕は理由も原因もわからないけど、どうにか
健のこと守ってあげたい、慰めてあげたい・・・。
そう思っていた。
しばらくして、泣く声がやんだ。
俺は扉が開くのを待っていた。
ゆっくりと扉が開いた、健は顔を真っ赤にして
下を向いて俺の姿を無視して横切る。
洗面台の鏡に寂しそうな、暗い健の顔が映った。
俺は何も声をかけてあげられなくて
トイレで一人になって、ずっと立ち尽くした。
なんで泣いていたの・・・?
俺が支えてあげるのに、何だってするのに。