Knife*

□サイレンの音 昌×准
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「腰がイテェ・・・。俺、今日のライブやり遂げれるかなぁ。」

僕の後ろの方にある、大きなソファーにはトニセンの三人が仲良く話していた。
井ノ原君は、そんな昌君の腰の痛みに『おじいちゃんだもん(笑)』なんて返している。
長野君は『大丈夫?コールドスプレーならあるけど?』なんて心配している。



僕も堂々ともっと昌君と話してたいな。でも、
あんな時間を過ごしてから、どうしても変に意識してうまく昌君と
話せなくなってしまっていた。





僕はライブまでの数時間机に伏せていつのまにか寝てしまった。








ある夕方。

昌君は黒縁のメガネに淡い青のシャツにベストを羽織って
下はタイトなスキニースタイルだった。
ミーティングに集まった6人はライブの最終確認について話し合った。
今回のライブはアルバムを引っ提げてのもので、
今まで以上に「魅せるV6」をテーマに構成を練っていた。

いつもグータラおとぼけの健君やあんまり参加しない剛くんも
今日のミーティングは積極的に話し合って、
予定時間より随分オーバーしてしまった。

ミーティングを終えて、僕は荷物をバッグに仕舞いこんでた最中だった。



「よ?岡田、今日暇?」



昌君はそう言いながら僕の方を覗き込む。僕は2回頷くと



「メシ、行かない?」



と食事に誘ってくれた。
僕は平然としてたけど内心はとても嬉しくて心臓が爆発しそうだった。
とっさにトイレに駆け込むと香水をいつもより気持ち多めに振って
ワックスで髪を整えた。
でも、なんか納得できなくてもっといい服着てくれば良かったと
何度も何度も思った。
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