Knife*

□咥えたナイフ 剛×健
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キャーーーー!!!



誰か女の人の悲鳴がこの街を、
僕達ふたりを襲った。



『わかって欲しかっただけ。』

「・・・。」

『・・・もう行くわ。』



僕は好きな人を置いて歩き出した。
人に見られた。もう終わった。

すると、手を引いてきた。
不思議そうな顔で見つめる。

困惑した目で見つめる君。
僕は震える腕で抱きしめた。
寒くて息から湯気がでるね、、、。

それぐらい寒いから震えてるんだね。
涙が出てくるのも、
寒くて乾燥してるからだよね。



怖くて不安で怯えてるからじゃ
ないんだよね、、、。


「待って…まだ、分からないよ。」

『いいよ。駄目だもう。』

「ひ、、、一人にしないで!!」



本当の僕の心は怯えてて、
どうする事が正しのか分からない。
けれど、1つだけ言えるのは、
僕のしたことは僕を壊した。



そして、
僕達の未来を壊そうとしている。
怯える体をお互いに抱き合って
隠れて泣きそうになって震える。


僕らは、
夢を見ていたのかな。
つまらない悪夢を、、、。



『愛してる、それだけ。
それだけだったんだよ、
分かってほしいよ……。』

「うん、わかってる。」

『これは、離れ離れになっても
変わらないからね。』

「ううん、1人にさせないよ。
大丈夫。」



指を絡めて見つめ合う。
お互い涙が出ていて、震えて、
頭がぐちゃぐちゃになっていた。



誰も見てないよ。きっと。
僕らは、いつまでも一緒だった。
誰も分かっちゃいない。
コレは単なるミスなんだ。




救急車の音がしてきた。
真っ暗闇の中僕らは
タクシーを捕まえて2人で
その場から離れていく。

何も知らないように
何も知らないように。


何も知らないように、、、。
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