Knife*

□悪い子良い子 剛×健
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ドアを開ける。俺の部屋で健は寝ている。
すやすやと寝ているのを俺は知ってる。

「ただいまっ。」



スタスタスタ・・・

『ごぉ、どこに行ってたの?』

「林檎買ってきたよ。一人にしてごめん。」

俺は健をそっと抱き寄せて頭をゆっくり優しくなでた。
健はしばらく強く抱きしめてずっと黙っていた。

健はいつのまにか服を着ていて、
シャンプーや優しい石鹸のにおいがした。
俺は少し悲しい気持ちになった。

昨夜はあっという間に過ぎ去って
いつの間にか太陽はまた沈もうとしている今・・・。
時間が二人を置いて行ってる、いや時間だけでなく
二人以外のすべてが離れている・・・そんな風なことを
思い浮かべてしまった。そんなことはないんだけれど。実際は。


『ごぉ、苺の方食べたい、ね?いいでしょ?』

「そうだった、苺もあるから苺を食べよう。
ベットに座ってなよ。洗って持っていく。」

『うん。待ってるから。早く来てね・・・』


ちゅッ


触れたか触れてないか軽い健の唇が頬にあたった。
健は下を向いてベットに向いて歩いて行った。

俺は袋から苺のパックを取り出してザブザブと洗って
ベットに持っていく。
両腕はビッショリと濡れたままだったので
床に水滴がポトポトと落ちていく。

俺はそれに気づかないでゆっくりと健の方へ歩いていく。
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