Knife*

□大人達の余裕 昌×博
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博はニコニコしながらどんどん先へ歩いていく。
俺も後からついていく。
いつの間に予約してたんだよとちょっと思った。
いつも博は予約して色々な店に行ってるのか?とか
いのっちのこととか、とにかくたくさん聞きたいことが山積みだった。

個室に案内されて、俺と博は向かい合って座った。
ニコニコしながらメニューを眺める博。
俺にもメニューみせてよ・・・と思いながらもしばらく黙っていた。

「まーくんは何でもいいの?」

『・・・え?何?』

まーくん?

「ん?俺はハンバーググラタンにするけど一緒でいい?」

そ、それを聞いてんじゃなくて・・・。

『お。うん。良いよ。あとビールも。』

「はーい。ピンポンどこだろ・・・あ、ここか。」

店員がやって来た。グラタン、ビールを2つずつ頼んだ。
グラタンはしばらく時間がかかるからと、
すぐにビールと前菜のサーモンのサラダがやって来た。
ずっとニコニコしている博。
俺はビールを飲みながらチラチラ様子をみる。

「おぉーうまそう!サーモンが良い色のアクセントだよね。
食が進むよねえ。お!しかも角切りのチーズも入ってるし!!」

リポートを兼ね備えながらもぐもぐ食べる。
俺は、そうだなぁ。とかうまいなぁ。とかいつでも言えるセリフだけ
言いながらビールをごくごく飲んだ。

「まーくんと二人で食事っていつ振りかな?」

『え?そうだなぁ半年以上前じゃない?』

まーくんってなんなんだよ。まぁそんなこと聞かないけどさ。

「えぇ?そんなに前になるかぁ。でもそうだよね。」

『久々だよなぁ。まぁたまにはこうやって二人で飲むのも良いよな。』

「ホント?!」

博は今日一番の笑顔でそう言った。
俺はびっくりして無言で何回も頷いた。
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