Knife*

□笑顔のその先 井×健
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しばらく、玄関から少し離れたベンチで、
オレンジソーダを飲みながら井ノ原君を待っていた。
メールしても返事はないし、
せっかく来たんだからと気長に待っていた。

僕は井ノ原君が好きだし、井ノ原君も僕のことが
好きだって思ってたし、そうじゃないとこんなふうにならないと
思っていた。でも、いつも朝になれば僕は寂しさに
潰れそうになるし、それは僕にとって良いことなのかな・・・
そう思い始めた。でも、好きなのは変わらないし、このまま
ずっとこの関係を続けて行きたいとも思ってる。

オレンジソーダが空っぽになった。
随分時間がたったことも分かった。でも、メールは来てないし
番組が終わってもう結構たっていた。
井ノ原君の時計だけがずっと動いていた。
僕はしばらく眺めていた。玄関もチラチラ携帯をチラチラと
時計をチラチラと順番に眺めるけど、井ノ原君はやってこない。



すると、僕の携帯が鳴った。
慌てて着信に出たら、長野君だった。

『もしもし?健?何してるの?』

「ん、ちょっと用事してて・・・。」

『そうなんだぁ、残念だなぁ。
今ねイノッチと岡田とご飯食べてるんだよ。
坂本君と剛は来れないみたいでさぁ。』

「はぁ?何だよそれ?」

僕は凄い苛立って電話を切ってしまった。
そして来た道をゆっくり歩いて行った。
もう、悔しくて泣いてしまった。
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