Knife*
□青い浴槽の箱 昌×井
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ドアにもたれて僕は座り込んでいた。
ドアの向こうはもう静まり返ってて、
僕は坂本君が寝ているんだろうと思っていた。
しばらくしたら、鍵が開く音がした。そしてドアも開いた。
そして目が合う。
『まだ、いたの?』
「うん。」
坂本君の腕には乱雑に巻かれた包帯、
指先には何枚も絆創膏が貼られてあった。
『寒いでしょ・・・入りなよ。』
坂本君の部屋は、真っ暗でテラスに続くガラスが割れていて
カーテンが一人でゆらゆら踊っていた。
「ガラス、割っちゃったの?」
『そうだよ。そういうところ、怖くて恐ろしいだろ(笑)』
「いや、こわいけど、僕は坂本君のこと好きだよ。」
バシンッ
坂本君僕を思いきり叩いた。
よろけた体は床に思いきり投げ出されて、背中に激痛を感じた。
倒れこむ僕のそばに座って坂本君は睨み付けるような目で
胸倉をつかんでくる。怖くて震えが止まらなかった。
『俺のことがそんなに好きなのか?
いいや博の方が良いんだろう!そうだろ!!?言ってみろ!』
「ど、どうして・・・そんなに・・・」
坂本君は割れたガラスの破片を僕の目の前に持ってきた。
『見ろよ、俺はな、お前の為ならこのガラスで腕を何度も何度も
切りつけることぐらい簡単にできるんだ!』
「や、やめてよ!どうしちゃったんだよ!」