Knife*
□ギャンブラー 准×井
2ページ/10ページ
店の個室で俺らは適当に色々頼んだ。
井ノ原君は自分がいかに効率よく暇をつぶしたのかを熱く語り始めた。
俺は焼き鳥を食べながらうんうん(笑)と聞いている。
『まずね、本屋さんに行ったわけよ。
そしたらお気に入りの長淵のさ歌!わかるでしょ?
俺がいつもうたってるやつ!ね?それのさ新譜が出てたわけよぉ〜』
「うんうん(笑)それ、買ったの?見せてよ。」
『いや、買ってないよ♪』
「なんで買ってないんだよ(笑)意味わかんないし・・・(笑)
だってさ好きな歌なんでしょ?」
『いやぁね〜。買おうと思ったよ、相当悩んだんだけどやめた!
なんかさ荷物になるじゃん!♪』
「・・・(笑)。」
井ノ原君はヘラヘラしながらも、ごくごくビールを飲んで
ドンドン面白い話を話続ける。おかしくてこっちまでゲラゲラ笑っちゃう。
『んでさぁ〜。薬局に行ったんだよ。俺肩良く凝るからさ、
あるじゃん、なんつーの?塗る薬、スースーするの!ね?
それを買おうとしたんだけどさ・・・』
「結局荷物になるから買わなかったんでしょ?(笑)」
『違うんだなぁー(笑)』
井ノ原君はビールをグイグイと飲みほして俺を見る。
そしてポケットから小さな小瓶を出してきた。
俺はその小瓶をまじまじと見てみた。
んだけど・・・
「・・・・・?!おいおい!(笑)そんなものいらねーだろ!?」
『いやぁね〜。気になって手に持って見てたら、
可愛らしい男の店員さんにさ勧められたんだよ〜。そうしたらもうさ
買うしかないでしょ?しかも軽くて小さい、荷物にもならないし。』
「だからって、こんな怪しすぎるパッケージでさ(笑)もう、いのっち
わけわかんないもの買うなよ(笑)」
井ノ原君が買ったのは、
とにかくナイスバディ−の外国人のねぇちゃんが
裸でくねってるイラストの小瓶、中身は媚薬とのこと。
井ノ原君は、いい買い物したと思ったんだけどなぁ〜とか
笑っているけど、俺は本当に金の無駄遣いだよと思った。
『今日さ、使ってみない?』