D.gray-man

□哀しい夢(カコ)
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「それでね、これ母さんからのプレゼントよ」

「あっ、ミシェリ!ずるいぞ!ミナ、これは父さんからだ♪」


愛娘へのプレゼントを自分が先にと待ち構えていたのに、母親にあっさりと奪われ慌てる父親の姿

微笑ましい2人のやり取りに、何とも言えない愛しい気持ちが込み上げ頬が緩んだ



『おとうさま、おかあさまありがとう』





丁寧に包まれたそのプレゼントの中身を開けると

以前、日本という国が舞台となっていた絵本でしか見た事がなかった、扇というものだった


その絵柄は、主張するかのように真ん中に白い花が大きく、とても綺麗で色鮮やかに描かれていた


しかし、包装などは違えど中の扇は瓜二つ、父と母からのプレゼントは全くの同じものだった


「「・・・え゙!?!?」」


あぁ、ホラ

本当に愛しい


『 ほんとうに、なかがいいんだから。このおうぎはぜったいに、だいじにつかうね』


─────そう、これは当時7歳を迎えるミナの誕生日。笑いが絶えないとても幸せな一時だった。
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